【QYLD】の銘柄分析│メリット・デメリット、トータルリターン比較、将来性、投資判断のポイントなど

株式投資
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2023年1月追記

高分配ETFとして人気のQYLDについて、

  • メリット・デメリット
  • 他の高配当銘柄(VYM、ARCC、JEPI)とのトータルリターン比較
  • 将来性
  • 併せて検討してほしい東証版QYLD(2865)

などを調べたので、その結果をまとめています。

  • QYLDが気になっている
  • QYLDに何かひっかかるものがある
  • QYLDと高配当銘柄の比較を見て、投資銘柄を決めたい

このような人の参考になればうれしいです。

森岡
森岡

私自身は、高配当株投資による経済的自立を目指しています

QYLDは、分配利回りの高さから以前より気になっていましたが、何か怪しさも同時に感じて手を出さずにいました。

それでも、興味がずっと続いたので、色々なサイトを調べてみました。その結果をまとめた内容となります。

先にポイントだけまとめておきます。

  • 分配利回り → 11.81% *2023年1月6日時点
  • メリット
    • 高利回り、毎月分配
  • デメリット
    • 対象指数であるNASDAQ100よりもトータルリターンが大きく劣る、など
  • トータルリターン
    • ARCC > VYM > JEPI > QYLD
  • 将来性
    • 株価 → 下落基調を想定しておいた方が良い
    • 分配金 → 概ね安定的に推移しそう

↓この記事の作成後、とりあえず実際に保有してみようということでQYLDを約10万円分購入しています(同じく高分配ETFのJEPIも同時購入)

↓QYLDと同じく高分配ETFとして人気のJEPIを比較した記事もあります

高分配ETF「QYLD」の基本情報や株価チャートなど

QYLDの基本情報

ティッカーQYLD
運用会社GLOBAL X
設定日2013年12月11日
 主要取引所 NASDAQ
純資産 6,401,469,606ドル 
株価16.09ドル
経費率0.60%
分配利回り11.81%
分配頻度毎月分配
年率リターン
(設定来)
5.64%
年率リターン
(1年)
▲19.00%
2023年1月6日時点の情報(GLOBAL Xより引用)

*QYLDはカバード・コール戦略により利益を生み出すことを狙いとしています。カバード・コール戦略については煩雑になるためここでは触れません。QYLDへ真剣に投資することを考えている方は、是非その仕組みを調べ、理解した上で検討してください。GLOBAL Xのサイトでも解説されています。

QYLDの株価チャート

QYLDの株価推移(2023年1月9日時点) *出典:Googleファイナンス

2013年12月の設定~2023年1月上旬までの株価推移です。

概ね右肩下がりで、特に2022年は大きく下落しています。

分配金(配当金)の推移 *2022年の場合

分配基準日分配金/株円換算
(1ドル=130円)
10万円分(34株)保有なら
*2022年初QYLD$22.29
1/25$0.20326円884円
2/23$0.20226円884円
3/22$0.20927円918円
4/19$0.20526円884円
5/24$0.17823円782円
6/22$0.17322円748円
7/19$0.18023円782円
8/23$0.18123円782円
9/20$0.16521円714円
10/25$0.16221円714円
11/22$0.16421円714円
12/30$0.16120円680円
合計$2.183279円9,486円
GLOBAL Xのサイトを参考に作成

QYLDの2022年の分配金の推移です。

2022年の年初にQYLDへ約10万円分投資をしていたとすると、年間で9,500円弱の分配金が得られたという概算になります。

*為替を1ドル=130円という仮定で計算しているので実際には多少の誤差があります

ただし、株価は2022年初に$22.29だったのが、年末には$15.91まで下落しています。約28%の下落です。QYLDへ投資するか考える際は、分配金だけでなく株価がどうかも含めて考えましょう。

QYLDに投資するメリット2点

QYLDに投資するメリットについて、運用会社であるGLOBAL Xのホームページからその他のサイトまで色々調べてみました。

そのメリットは次の2点に集約されるようです。

  1. 分配利回りが非常に高い(概ね10~12%)
  2. 毎月分配

やはり、どこを見ても強調されているメリットは分配利回りの高さです。

(2023年1月追記)

実際、私は2021年11月にQYLDへ約10万円投資していますが、それ以降毎月500円以上の分配金を手取りで得ています。年換算すると税引後6000円以上ですから、その利回りの高さは驚異的です。

QYLDに投資するデメリット・リスク6点

次にQYLDに投資するデメリット・リスクについてです。

こちらは、次の6点が主だったものでした。

  1. そもそもカバード・コール戦略の理解が難しい
    • 人によっては「よく分からないもの」に投資をするリスク
  2. 経費率が0.60%と高い
  3. NASDAQ100指数のリターンに大きく劣後する
  4. 仕組み上、キャピタルゲインは望めない
  5. NASDAQ100の低迷局面では株価下落・減配のリスクが大きい
  6. 連続増配ではない
    • 米国株に多い連続増配株を選好する人には不向き

デメリットとして特に強調されている点は、

  • NASDAQ100よりもトータルリターンが大きく劣る
  • NASDAQ100の低迷局面では株価下落・減配のリスクが大きい

という2点でした。

トータルリターンを重視するなら、素直にQQQなどNASDAQ100連動のETFを購入した方が良いという指摘がかなり多いです。

QYLDと高配当銘柄(VYM、ARCC、JEPI)のトータルリターン比較

さて、QYLDは実際のところ他の高配当銘柄と比較してどうなのでしょうか。

ここでは、「QYLD vs VYM、ARCC、JEPI」という形で、配当込みのトータルリターンを比較してみます。

QYLD << VYM < ARCC

QYLD、VYM、ARCCのトータルリターン比較(出典:portfoliovisualizer)
期初に各銘柄へ100ドルずつ投じた場合の結果(出典:portfoliovisualizer)

↑のチャートは、

  • QYLD
  • 高配当株ETFの代表格”VYM
  • 高配当のBDC銘柄として人気の”ARCC(エイリス・キャピタル)”

の配当込みのトータルリターンを、QYLDの設定以後から比較したものです。

結果は、パフォーマンスの良い順に「 ARCC > VYM >> QYLD 」となりました。

QYLDは高分配が魅力ですが、そのキャピタルの弱さからARCC,VYMに大きく劣後してしまっています。

QYLD << JEPI

QYLD、JEPIのトータルリターン比較(出典:portfoliovisualizer)
期初に各銘柄へ100ドルずつ投じた場合の結果(出典:portfoliovisualizer)

↑のチャートは、

  • QYLD
  • QYLDの後に設定され、同じく人気の高分配ETF”JEPI

の配当込みのトータルリターンを、JEPIの設定以後から比較したものです。

結果は、パフォーマンスの良い順に「 JEPI >> QYLD 」となりました。

  • JEPIの設定から日が浅いこと
  • 2022年の下落相場は特にQYLDに対して逆風が強かったこと

という点は考慮が必要ですが、一つの参考にはなるのではないでしょうか。

QYLDの将来性を過去推移から考えてみる

ここでは、QYLDの将来性について、株価と分配金の過去推移から考えてみます。

QYLDのこれまでの株価推移

QYLDの株価推移(2023年1月9日時点) *出典:Googleファイナンス

これまでの株価推移から考えられることは、

  • コロナショックのような暴落時は、QYLDも暴落する
  • 株価は右肩下がり
  • 株価持ち直しの場面でも、高値が切り下がっている=株価上昇力は弱い

です。

一言でいうと、「株価上昇力が弱く、キャピタルロスの覚悟が必要」です。

QYLDの分配金推移

QYLDの分配金推移(米国版Yahooファイナンスのデータをもとに作成)

QYLDの分配金推移をみると、「1口0.2$/月ほどで前後しており、概ね安定的」といえそうです。

QYLDの将来性

QYLDの株価推移と分配金推移を見てきましたが、過去推移からQYLDの将来性を考察すると、

  • 株価
    • 株価上昇力が弱く、下落基調を想定した方が良い
  • 分配金
    • 概ね安定的に推移しそう

といえそうです。

投資判断のポイント3点~高分配(=高配当金)だけに注目してはいけない

QYLDに投資するかを検討する時のポイントは、

  1. NASDAQ100の値上がり益を捨てる部分に納得できているか
    • QQQに投資した方がトータルリターンはよっぽど良い可能性が高いが、その上であえてこちらを買うことに自分が納得できているか
  2. キャピタルロスを許容できるか
  3. 仕組みが複雑で、理解度によっては予期せぬことが起きる可能性を受け容れられるか

という3点になりそうです。

高利回りを享受する代償として、この3点を自分なりに受け容れられるかどうかという点が非常に重要であるように感じます。

また、投資をするなら資産の10%程度を上限とした方が良いという指摘が多いことにも留意したいところです。

(2023年1月追加)QYLDよりも2865を要チェック

QYLDへの投資を検討している方に情報提供です。

東証版のQYLDが2022年9月末に設定されています。

「2865 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール」です。

まだ設定から間もなく、値動きや分配金推移に未知の部分が多いため慎重さも必要ですが、QYLDへの投資を検討する場合はこちらも候補に入れると良いと思います。

東証上場ETFのため、QYLDへ投資するのと比べて、ドルを用意するための為替手数料が不要であったり、売買手数料面で有利なことが期待できます。

雑感

QYLDを知った初めの頃は驚くべき利回りの高さから、「なんだか怪しいETFが話題になってるんだなあ」ぐらいの感想しかもっていませんでした。しかし、その利回りの高さはどうしても気になり、しばらくウォッチリストに入れて値動きなどを見ていました。

すると、案外値動きの幅というのは大きくなかったですね(当時)。その上で常時高い利回りが得られるのなら、投資する価値もいくばくかあるのではないかと今回調べた次第です。

私の結論としては「10~50万円の範囲内でとりあえず保有してみる」です。

以前、QYLDと同じようにして気になったものにBDC銘柄のARCCがありました。気になってずっと見ているばかりなのもどうかと思い少額購入してみたのですが、やはり実際に保有することで考えが固まるという部分がありました。かつて「高利回りで保有している人がうらやましい」といったことを思っていたはずが、「実際に保有するとこんな感じなのか」と納得できたということです。

ARCCについては「保有していても暴落が怖くて強い気持ちでホールドできない」との結論に至り売却しました。それからはかなり落ち着いてBDC銘柄を見られるようになりました。

今時点ではQYLDの利回りの高さにかなり魅かれてしまっています。一方で、自分の中で「よくわからないものに手を出さない方が良い」という本能的な危機感のようなものも確かにあります。なので、迷っているならまずは保有をしてみて自分がどう感じるかを見定めればよいという結論に至ったわけです。

「とりあえず10~50万円の範囲内で投資をしてみて、不安になるようであれば早めに売却してしまう」。先述のデメリットは受け入れた上で、この方針で行こうと思います。

(2023年1月追記)

この記事の作成後である2021年11月に、実際にQYLDへ約10万円分投資しています。

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森岡
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