【銘柄分析】「JEPQ」はJEPIのNASDAQ100版。配当やメリット・デメリット、将来性を考察

株式投資
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(2023年9月追記)

超高配当が人気の米国ETFに「JEPI」がありますが、その兄弟分として「JEPQ」があるのはご存知でしょうか。

JEPIがS&P500を対象としているのに対し、JEPQはNASDAQ100を対象としています。

私はJEPIのみ保有していますが、JEPQについても以前から気になっていました。

そこで本ブログ記事では、

✓JEPQの概要(株価推移、構成銘柄、NASDAQ100との相関、配当)

✓メリット、デメリット

✓トータルリターンの比較(vs QQQ、JEPI、QYLD)

✓将来性

✓投資判断のポイント

などを調べ、まとめました。

  • JEPQが気になっている
  • JEPQの高利回りが魅力的だけど何かひっかかるものがある
  • JEPQと高配当銘柄の比較を見て、投資するか考えたい

このような人の参考になればうれしいです。

先にポイントだけまとめておきます。

  • 分配利回り → 12.00% *2023/6/20時点
  • メリット
    • 高利回り
    • 毎月分配
    • インカムとキャピタルの両方を狙える
  • デメリット
    • 設定が2022年と新しく暴落時の動きなど想定しにくい
    • 分配金のブレが大きい
  • トータルリターン比較
    • リターンの良い順に「QQQ、QYLD、JEPQ、JEPI」
    • 比較した4銘柄はいずれもまずまず良好なパフォーマンス
  • 将来性
    • 株価:「NASDAQが上昇するなら」少し期待できる
    • 分配金:「概ね安定的」に推移するか

↓JEPIについての記事もあります

高配当ETF「JEPQ」の概要

JEPQの基本情報

ティッカーJEPQ
名称JPモルガン・ナスダック米国株式・
プレミアム・インカムETF
運用会社J.P.モルガン・アセット・マネジメント
設定日2022年5月3日
 主要取引所 NASDAQ
株価47.72ドル
経費率0.35%
分配利回り12.00%
分配頻度毎月分配
2023年6月20日時点の情報(JPモルガンのサイト、米国版Yahoofinanceより)

「米国の大型成長株の保有+オプションの売却」により「株式の配当金+オプションプレミアム」を確保し、これらのインカムを原資として毎月分配を目指すETF

運用の狙いは、「NASDAQ100指数よりもボラティリティを抑えつつ、同指数の値上がり益の恩恵を一定程度享受する」こと

JEPQの株価チャート

↓のチャートは、JEPQの2022年5月の設定~2023年6月中旬まで(=1年ちょっと)の株価推移です。

JEPQ設定来の株価推移(2023年6月20日時点) *出典:Googleファイナンス

2022年9月頃から7か月ほど低迷した後、直近では2023年3月から持ち直してきています。

JEPQの構成銘柄:7銘柄で46%を占める

JEPQの構成銘柄の上位7つは次のとおり。

企業ティッカー構成比率
マイクロソフトMSFT11.68%
アップルAAPL9.79%
アルファベットGOOG7.04%
アマゾンAMZN5.96%
エヌビディアNVDA5.68%
メタMETA3.68%
テスラTSLA2.87%
出典:US版Yahooファイナンス

いわゆるGAFAM+エヌビディア+テスラの7銘柄で46%を占めています。

分散性は決して高くないですね。

JEPQとNASDAQ100の値動きはある程度相関している

↓のチャートは、ナスダック100指数JEPQの1年騰落率です。

JEPQとNASDAQ100の1年騰落率(2023年6月22日時点) *出典:Googleファイナンス

下落する時は両者同じような動きをしています。

しかし、2023年に入ってからの上昇のしかたを見ると、JEPQの上昇幅よりもNASDAQ100の方が上昇幅が大きいことが分かります。

JEPQの運用の狙いである「NASDAQ100指数の値上がり益の恩恵を一定程度享受する」の「一定程度」がどういうことか、チャートから読み取れるでしょう。

たしかにNASDAQ100の上昇に合わせてJEPQも値上がりをしますが、その上昇力はNASDAQ100ほどには強くないということです。

JEPQの分配金(配当金)の推移

JEPQの分配金推移(US版Yahooファイナンスより作成)

JEPQの設定来の分配金推移です。

*便宜上、2022/12/29分の分配金を2023/1分として表示しています

最も少ない月で$0.34(2022/7)、最も多い月で$0.681(2022/11)です。

最少額の時は最高額の時のおよそ半分です。

分配金は月によってそれなりに振れ幅があることには留意しておきたいですね。

JEPQに投資するメリット5点

JEPQに投資するメリットは主に次の5点です。

  1. 超高配当(2023年6月時点で約12%)
  2. 毎月分配
  3. インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える
  4. 少額から投資可能(1口40ドル台)
  5. アクティブファンドの中では経費率0.35%は良心的

やはり、「非常に高い配当利回り」と「毎月分配」が最大の魅力といえそうです。

JEPQに投資するデメリット・リスク4点

続いてJEPQに投資するデメリット・リスクについてです。

次の4点には注意した方が良いでしょう。

  1. 設定から日が浅く今後を予想しにくい ※特に暴落局面
  2. 分配金のブレが大きい
  3. NASDAQ100ほどの株価上昇力はない
  4. 銘柄分散が弱い

特に1点目に挙げた「設定から日が浅く今後を予想しにくい」という点には気をつけておきたいですね。

  • リーマンショックやコロナショックのような暴落が次に来た時、どういった値動きをするか
  • 分配金は今後も安定的に推移しそうかどうか

この辺りの目線は持っておいた方が良さそうです。

JEPIは2020年の設定ですが、JEPQは2022年に設定で、JEPI以上に過去データがありません。

JEPQのトータルリターン比較(QQQ、JEPI、QYLD)

さて、超高配当が魅力のJEPQですが、値動きを含めたトータルリターンはどうでしょうか。

ここでは、「JEPQ vs QQQ、JEPI、QYLD」という形で、配当込みのトータルリターンを比較してみます。

QQQ > QYLD > JEPQ > JEPI

QQQ,QYLD,JEPQ,JEPIのトータルリターン比較(出典:portfoliovisualizer)

↑のチャートは、

  • NASDAQ100連動の代表的ETF”QQQ
  • NASDAQ100を対象とした高配当ETF”QYLD
  • JEPQ
  • JEPQのS&P500版である”JEPI

の配当込みのトータルリターンを、JEPQの設定以後から比較したものです。

結果は、パフォーマンスの良い順に「 QQQ > QYLD > JEPQ > JEPI 」となりました

ただ、このトータルリターン比較はあくまで参考程度に留めた方が良いでしょう。

その理由は、↓のNASDAQ100の5年チャートからわかるように、比較の開始時点である2022年6月は同指数がかなり下落した後であり、発射台が低いからです。

NASDAQ100の5年チャート(出典:Googleファイナンス)

またJEPQの設定から日が浅く比較期間がかなり短いことからも、まだ評価が定まらないといってよいでしょう。

現時点でのトータルリターン比較から参考にできそうなのは、

今回比較したJEPQ、QQQ、JEPI、QYLDのいずれも特別にパフォーマンスがひどいものはなさそう

比較最終時点で最下位だったJEPIでも、期中ではパフォーマンス1位のタイミングもあり、各銘柄の優劣は時期によって異なる

という点になりそうです。

JEPQの将来性~過去推移からの考察

(2023年9月追記)

ここまでJEPQのメリット・デメリット、トータルリターン比較などを見てきましたが、「将来性」はどうでしょうか。

株価と分配金のそれぞれについて過去推移から考察してみます。

先にまとめておくと次のとおりです。

項目JEPQの将来性
株価「NASDAQが上昇するなら」少し期待できる 
    分配金    「概ね安定的」に推移するか

株価は「NASDAQが上昇するなら」少し期待できる

NASDAQ100とJEPQの1年騰落率(出所:Googleファイナンス)

↑はNASDAQ100とJEPQの1年騰落率です。

NASDAQ100が低迷していた2022年はJEPQも同じように下落。

NASDAQ100が上昇した2023年は「JEPQもある程度上昇」しています。

JEPQはNASDAQ100ほどの株価上昇力はないものの、ある程度は追随しそうです。

これまでの株価推移からJEPQの将来性を考えると、「NASDAQ100がこれからも成長するならJEPQの株価成長もある程度期待できる」といえるでしょう。

分配金は「概ね安定的」に推移するか

JEPQの分配金推移(US版Yahooファイナンスより作成)

↑はJEPQの設定から2023年9月までの分配金推移です。

多少の凸凹はありますが、「増配傾向でも、減配傾向でもない」ということが分かります。

NASDAQ100が低迷した2022年と、復調した2023年の両方を経ての推移です。

これまでの分配金推移から将来性を考察するなら、「今後も概ね安定的な分配金」となることが推測できると思います。

JEPQへの投資判断のポイント4点

JEPQに投資するか検討する時のポイントは、次の4点を自分がどう判断するかということになりそうです。

  1. キャピタルゲインこそが大きな魅力であるNASDAQ100の、キャピタルゲインをある程度諦める点に納得しているか
  2. 超高配当を毎月分配で受け取れるが、分配金のブレが大きい
  3. 設定から日が浅くどういう値動き・分配金推移となるか予想しにくい(特に暴落局面)
  4. 仕組み上、素直にNASDAQ100へ投資した方がトータルリターンは優れることが想定されるが、それでもなおJEPQに投資をするだけの理由を自分の中で答えられるか

以上の観点に納得した上でJEPQに投資をするという場合、個人的にはサテライトとしての投資が良いのではないかと考えています。

例えば保有額はポートフォリオの5%までに抑える、などです。

JEPQが気になる方へおすすめの米国株情報源2選

JEPQが気になりこの記事をここまで読んでくださった方なら、きっと米国株の高配当投資に関心が強いかと思います。

ここで米国株の高配当投資に役立つ情報源を2つご紹介します。

❶米国株情報アプリ「moomoo証券」

高配当株や米国のマーケットについて調べるために、色々なサイトを見て回るのが大変

という時に便利なのが、米国株情報アプリ「moomoo証券」(ムームー)です。

「聞いたことがない」と思われたかもしれませんが、米国のNASDAQに上場するFUTU(フツ・ホールディングス)による次世代金融情報アプリです。

名前に証券とついていますが、あくまで「金融情報アプリ」であり口座等はありません。

無料にもかかわらず、アプリ一つで米国株の詳しい情報を簡単に調べられるため気に入っています。

ポイントは次のとおり。

無料で、アプリの評価も高い

配当利回りランキングで高配当銘柄を簡単に探せる

テクニカル分析(弱気~強気シグナル)など個別銘柄の売買タイミングを考えるためのデータが多い

個別銘柄の決算データ(売上高、営業利益、EPSや配当金の推移など)を簡単に確認できる

DOW JONESなどのニュースが読め、マーケットの動向を掴みやすい

NASDAQ上場企業によるアプリであり安心して使える

アプリを使う際にはアカウントを作る必要がありますが、メールアドレスのみで作れるため個人情報が気になる人でも安心です。

使用画面の例①JEPIの銘柄情報
使用画面の例②JEPIの売買動向
使用画面の例③JEPIの配当推移
使用画面の例④JEPIの構成銘柄

私自身も利用していますが、米国高配当株を選好する方には情報源の一つとして便利ですよ。

気になった銘柄についてしっかり調べた後に投資をすれば、相場が急変した時に焦って売り急ぐことを避けやすくなります。

とはいえ、調べるのにあまり時間をとられたくないというのが本音ではないでしょうか。

moomooを使えばアプリ一つで「詳細な銘柄分析をラクに」できますよ。

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口座開設ナシ&無料で使える投資情報アプリ
moomoo証券

❷無料レポートで「強い米国株25銘柄」を知る

色々な高配当銘柄を知っておきたいのに、どうやって調べたら良いかわからない

という時に便利なのが

Weiss Ratings

です。

米国で50年以上の歴史を有する投資格付機関。

無料レポートやメールマガジンで米国株について情報を集められます。

ポイントは次のとおり。

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25銘柄には米国高配当株&米国グロース株のそれぞれがバランスよく含まれている

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メールアドレスの登録のみで読める

 ▶私用のアドレスを登録するのに抵抗感があれば、適当なフリーアドレスでも大丈夫

毎回メールマガジンの最後に配信停止のリンクも載っているので、合わなければすぐに登録を解除できる

私は米国の高配当株についてそれなりに知っているつもりでしたが、レポートでは初めて見る銘柄ばかりでした。

高配当株投資をするなら「より多くの高配当株を知っておきたい」という人が多いと思います。

ですが0から米国の個別銘柄を探すのはやはり大変。

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雑感

JEPIを保有する中でその存在を知り、どんなものか気になっていたJEPQについて調べた結果をまとめたのが本記事になります。

感想としては「それなりの魅力を感じるが、まだまだ新しくて実績が不十分」という一言に尽きるでしょうか。

JEPIと同様に非常に高い利回り、かつ毎月分配という魅力は大きい。

一方で気になる点もいくつかありました。

  • NASDAQ100の値上がりにどの程度の水準でついていけるのか
  • 暴落時の値動きと分配金
  • 短期間の比較とはいえ、経費率の高いQYLDにパフォーマンスで負けている
  • NASDAQ100が低調だった2022年の水準が自分の中にアンカリングされているため、現時点では若干の割高感を感じる

といった点です。

ごく少額分を保有してみて、自分がどう感じるかを試してみるかどうかといったところでしょうか。悩ましいところです。

(追記)

本記事の作成後、実際にJEPIを一部売却してJEPQを新規で購入してみました。

投資の狙いは①S&P500よりもNASDAQ100のパフォーマンスに期待、②JEPIよりもJEPQの方が分配利回りが高くなりそう、という2点です。

今後のリターンがどのように推移するか見守りたいと思います。

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