※2022年12月追記
米国高分配ETFとして人気のQYLDとJEPIを、実際に両方購入してから1年以上が経ちました。
QYLDとJEPIのどちらも高分配という点が強調されて人気ですが、
- QYLDとJEPIって実際のところどうなの?
- QYLDとJEPI、どちらが良いんだろう?
と思う方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では
- QYLD、JEPIを実際に保有して感じたメリット・デメリット(リスク)
- QYLDとJEPIの将来性
- QYLDとJEPIを比較した感想(結論:QYLDよりもJEPIがおすすめ)
- QYLDに投資するなら要チェック→2865グローバルX NASDAQ100・カバード・コール
について説明します。
ポイントだけ先に書いておくと、
- 【分配金利回り】 QYLD > JEPI
- 2022年12月28日時点の分配金利回り:QYLD→11.8%、JEPI→10.6%
- 【値動きの安定性】 JEPI > QYLD
- 【経費率】 JEPI > QYLD
- JEPI→0.35%、QYLD→0.60%
- 【トータルリターン】 JEPI > QYLD
- 【総合評価】
- 分配金利回りが十分な水準で
- 値動きも比較的安定しており
- 経費率も相対的に低く
- トータルリターンも優れる
- JEPIの方がバランスが良く比較的安心して保有できる
となります。
なお、↓の画像にあるとおり、私自身は2021年11月よりQYLDとJEPIの両銘柄を保有していますが、比較の結果2022年10月にJEPIへ追加投資をしています。


QYLDを保有して感じたメリット2つ

- 投資額に対して分配金が多い
- 毎月分配で毎月うれしい
QYLD・メリット①投資額に対して分配金が多い
先の画像にあるように、私はQYLDを36株(投資額約10万円)保有しています。
この1年間、だいたい毎月5ドルを税引き後の分配金として受け取っています。1ドル140円換算で700円です。年間だと8,400円になります。
10万円をQYLDに置き換えたことで年間8,400円の分配金が得られると、率直にうれしいです。
ただし、後述するように株価の値下がりリスクはしっかりあるので、買値が非常に重要です。
言い換えると、ことQYLDに関しては高値圏での投資は後悔に繋がりやすいため、今なら割安だと自分で納得できるタイミングでのみ投資をした方が良いということです。
その点私は失敗していますので注意を喚起したいですね。
QYLD・メリット②毎月分配で毎月うれしい
日本株が年2回、米国個別株が年4回という配当が多い中、QYLDは毎月分配金がもらえます。
しかも元々の分配金利回りが高率なので、毎月と小分けになってもそれなりの分配金となります。
毎月分配金が入ってくると、ちょっとした幸せを感じることができます。
QYLDを保有して感じたデメリット4つ
- NASDAQ100指数が下落するとしっかり値下がりする
- 案外ボラティリティが大きい
- 値上がり幅はかなり限定的
- 経費率が0.6%とやや高めであることが保有中に気になる

↑は2022年12月28日時点の1年チャート(騰落率)です。
QYLDは水色の線で、JEPIは青色の線です。
QYLD・デメリット①NASDAQ100指数が下落するとしっかり値下がりする
どうでしょう。
2022年に入ってから米国株は下落相場入りしていますが、QYLDはNASDAQ100指数と同程度、しっかりと値下がりしています。
FRBの利上げの影響を強く受け、JEPIやS&P500よりも大幅に下落しています。
QYLD・デメリット②案外ボラティリティが大きい
株価は思っていたよりも大きく変動します。
この安定感のなさが最大のデメリットだと感じています。
心穏やかに高分配金を享受したいという人にはかなり気になるデメリットです。
分配金を毎月もらうことが楽しみで投資をしたのに、株価のボラティリティが大きく、日々の値動きが気になってしまっては手放しでは喜べないですよね。
QYLD・デメリット③値上がり幅はかなり限定的
チャートを見てわかるように、NASDAQ100指数が大きく上昇してもQYLDはそれほど値上がりしていません。2022年の7~8月頃が分かりやすいです。

キャピタルゲインは期待しない方が良いでしょう。
いくらインカムゲインが良くても、キャピタルで損をしていってはトータルで見たらどうなんだということになりかねません。
せっかくリスクを取って高分配ETFに投資をしたのに、インカムゲイン+キャピタルゲインで収支トントンになっていたら、リスクがある分定期預金よりも質の悪い運用となってしまいます。
QYLDを保有していて感じるのは、株価は下がりやすいけれど、上がりにくいということです。
投資を検討している方には、買値が重要だということを強調しておきたいです。
QYLD・デメリット④経費率が0.60%とやや高めであることが保有中に気になる
投資の勉強をすると、「経費率や信託報酬が高いものには手を出すな」ということが、あちこちでいわれていますよね。
そうした知識を前提にQYLD(経費率:0.60%)を保有していると、何かにつけてちょっと嫌な感じがします。
「毎月の高分配はありがたいけれど、一方でコストが確実にパフォーマンスを毀損している。」そんな気持ちになるからです。
気になる人には馬鹿にできないデメリットです。
JEPIを保有して感じたメリット4つ

- 投資額に対する分配金は良い水準
- 毎月分配で毎月うれしい
- 値動きが比較的落ち着いている
- 株価が上がる時はちゃんと上がる
JEPI・メリット①投資額に対する分配金は良い水準
JEPIは当初約10万円を投じて13株保有していました。
1年間、だいたい毎月4ドル台~5ドル台を税引き後の分配金として受け取っています。1ドル140円換算で600円前後ですね。年間だと7,000円強になります。
10万円投じて年間7,000円強の分配金が得られるとなると、やはりうれしいです。
体感的な話ですが、投資額に対して思っていたよりも分配金利回りは良いです。
JEPI・メリット②毎月分配で毎月うれしい
毎月分配金が得られて、毎月うれしさを感じられるという点はQYLDと同様ですね。
シンプルにうれしいです。
JEPI・メリット③値動きが比較的落ち着いている

↑は先ほどと同じ2022年12月28日時点の1年チャート(騰落率)です。
QYLDは水色の線で、JEPIは青色の線ですですね。
JEPIは黄色の線のS&P500よりも、2022年の下落相場では下落の程度が抑えられており、踏ん張っています。
2022年の米国株が軟調となった主因がFRBの金融引き締めなので、S&P500よりもグロース株の多いNASDAQ100やQYLDの方が下落幅は大きいです。
それでも、このチャートから判断すると、QYLDと比較して相対的に安定感があるのはJEPIですね。
実際にQYLDとJEPIを保有し、毎日の値動きを見ている私の体感としても、やはりJEPIの方が安定感があります。
分配金を得るために中長期で保有する前提ならば、値動きに安定感があるのはやはり重要です。
JEPI・メリット④株価が上がる時はちゃんと上がる

そして株価の上昇場面では、JEPIはS&P500よりも緩やかながらちゃんと値が上がっています。
QYLDと比べてみても、上昇局面での株価の上がり方は良好です。
高分配金をもらえることはもちろん大事ですが、それと同時に「株価も含み損にはなっていてほしくない」という人の方が多いでしょう。
QYLDは高値で買ってしまいその後下落した場合、挽回できるか期待が持ちにくいですが、JEPIならまだQYLDよりはマシだと考えられそうです。
JEPIを保有して感じたデメリット(リスク)
JEPIを保有していて、大きなデメリットは今のところ感じていません。
2022年の軟調な米国市場にあって、JEPIもS&P500と同様に株価が下落しています。
ですが、その下落率はS&P500よりも抑えらています。
ただし、今後留意しておくべきリスクはちゃんとあります。
- 設定からそれほど期間が経っていないため、分配金が高水準で推移し続けるかには注意が必要
- S&P500が持ち直していくときに、どの程度その値上がり幅に追随していけるか
- 過去データが積み上がっていないため暴落局面での値動きなどが予想しにくい
JEPIへ投資することを考えているなら、これらの点は頭に入れておきたいですね。
QYLDとJEPIの将来性
QYLDとJEPIの将来性について、株価と分配金の過去推移から考えてみます。
QYLD | JEPI | |
---|---|---|
株価 | 右肩下がりの覚悟が必要 | 米国株相場とある程度連動しそう |
分配金 | 概ね安定的に推移しそう | 概ね安定的に推移しそう |
あくまで過去推移からの考察になりますが、QYLDもJEPIも分配金には安定感を期待できそうです。
一方で、株価については、QYLDはキャピタルロスの覚悟が必要。JEPIはキャピタルゲインもロスも両方あり得るといえそうです。
↓各銘柄の将来性について、それぞれの銘柄分析記事にてもう少し詳しくみています
QYLDとJEPIを比較した感想<結論:JEPIがおすすめ>

ここまで、主にQYLDとJEPIのメリット・デメリットについて、実際に両銘柄を保有しての所感を書いてきました。
QYLDとJEPIのトータルリターン比較
ここで、QYLDとJEPIの配当込みのトータルリターンを、VYM、VOOを加えて比較してみます。
比較対象期間は(JEPIが設定された)2020年5月から2022年11月までです。

JEPIが設定されてからの期間で比較すると、
VYM > VOO ≒ JEPI >> QYLD
となっていることが分かります。
- 比較対象期間が2年半と短いこと
- 2022年11月末時点という一場面を切り取った評価であること
には注意が必要ですが、一つの参考にはなるでしょう。
結論
ところどころでQYLDとJEPIの比較もしているので分かるかもしれませんが、両銘柄を1年超保有してみた私としては、結果的にJEPIを選好しています。
- 【分配金利回り】 QYLD > JEPI
- 2022年12月28日時点の分配金利回り:QYLD→11.8%、JEPI→10.6%
- 【値動きの安定性】 JEPI > QYLD
- 【経費率】 JEPI > QYLD
- JEPI→0.35%、QYLD→0.60%
- 【トータルリターン】 JEPI > QYLD
- 【総合評価】
- 分配金利回りが十分な水準で
- 値動きも比較的安定していて
- 経費率も相対的に低く
- トータルリターンも優れる
- JEPIの方がバランスが良く比較的安心して保有できる
今後の方針や雑感
①QYLDは売却予定、JEPIは継続保有
両者とも余裕資金の一部を充てて購入したものです。
毎月の定期積立枠から購入したものではないため、保有していてあまり満足度の高くないQYLDについては今後含み益が少しでも生じた際に売却する可能性が高いです。
JEPIについては「なかなか悪くないぞ」という印象が強いので当面は保有し続けます。
利回りも悪くないというか絶対額でみればかなり良い方ですし、S&P500にある程度連動して値上がりすることも期待できそうです。
懸念があるとすれば分配金が良好な水準で今後も出続けるかどうかという点でしょうか。
両者のトータルリターンを比較した結果、QYLDよりもJEPIの方が良好な過去推移であったことも私の印象を補強しています。
(2022年10月追記)受取配当金を早期に増やしたいという個人的な事情により、2022年10月下旬にJEPIに日本円で約94万円分の追加投資をしました。
②QYLDもJEPIも債券的な役割は期待できない
また、1点加えておきたいのは、QYLDもJEPIも債券に似た安定性というのは期待してはいけないということです。
私が投資を決めた時は、「債券的な役割=安定した値動きに安定した分配金」も少しばかり期待していました。
ですが、実際に保有してみるとQYLDもJEPIも、NASDAQ100やS&P500の変動に合わせて値がそこそこ動くことを実感したためです。
③(2022年10月追加)QYLDよりも2865を要チェック
QYLDへの投資を検討している方に情報提供です。
東証版のQYLDが2022年9月末に設定されています。
「2865 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール」です。
まだ設定から間もなく、値動きや分配金推移に未知の部分が多いため慎重さも必要ですが、QYLDへの投資を検討する場合はこちらも候補に入れると良いと思います。
東証上場ETFのため、QYLDへ投資するのと比べて、ドルを用意するための為替手数料が不要であったり、売買手数料面で有利なことが期待できます。
JEPIやQYLDが気になる方へおすすめの情報源
JEPIやQYLDが気になりこの記事をここまで読んでくださった方なら、きっと米国株の高配当投資に関心が強いかと思います。
米国高配当投資をしようという時、「色々な高配当銘柄を知っておきたいのに、どうやって調べたらよいかわからない」ということも多いんじゃないでしょうか。
私自身、色んなサイトや、バロンズダイジェスト(楽天証券経由)を見て調べていますが、一つ便利に感じている情報源があります。
オックスフォードクラブのライセンスを受けた日本企業が運営している無料のメールマガジンで、主に米国の配当株投資について情報を提供してくれます。
無料なのに、なかなか良い情報を提供してくれるので気に入っています。
ポイントは次のとおりです。
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私自身も登録していますが、米国高配当株を選好する方には情報源の一つとして便利ですよ。
より多くの選択肢を知った上で米国高配当株投資を楽しみましょう。
詳細は↓の記事にも書いてあります。気になる方は読んでみてください。
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