【銘柄分析】4996 クミアイ化学工業│6年連続増配の農薬メーカー

4996 クミアイ化学工業の銘柄分析 株式投資
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この記事では、JA系の農薬メーカーである「4996 クミアイ化学工業」について銘柄分析をしています。

好調な業績、大幅な増配などを受けて、最近にわかに注目を集めている銘柄です。

私自身は「高配当株、累進配当株、連続増配株」を好む配当投資家ですが、その視点からクミアイ化学工業にどれぐらいの魅力があるか調べた結果をまとめています。

先にポイントだけまとめておきます。

農薬専業で首位級

決算月が10月で、配当金の受取月の分散に良い(配当は年2回)

配当利回り:4.00%(2023/9/13時点)

配当性向:20%前後

連続増配年数:6年

株主優待:なし

配当政策:安定配当

業績は好調だが、キャッシュフローにやや難あり

除草剤アクシーブの売上伸長が著しいが、依存度も高まりリスクあり

2023年12月発表予定の次期中期経営計画で「株主還元方針」の変更があるか注目

以下、一つずつ具体的に見ていきましょう。

クミアイ化学工業への投資を検討している方の参考になればうれしいです。

(2023年12月追記)

注目されていた発表で「まさかの減配」等あったので続報記事です

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4996 クミアイ化学工業の「基本情報」

出所:クミアイ化学工業(公式HP)

まずは基本的な情報を確認していきます。

 証券コード 4996
 銘柄名 クミアイ化学工業
 業種 化学
 決算月 10月
 時価総額 1,399億円
 株価 1,051円
 予想配当利回り 4.00%
 配当回数 2回(中間、期末) 
 PERレンジ(過去5年)  5.6 ~ 27.6
 PER   7.57
 PBRレンジ(過去5年) 0.73 ~ 1.48
 PBR   0.97
 株主優待 なし
Yahooファイナンス、IRBANKを参考に筆者作成(2023/9/13時点の情報)

決算月が10月と珍しく、配当金の受取月の分散に良い

時価総額は約1,400億円の中小型株

配当利回りは4%前後とまずまずの高配当

2023/9/13時点のPERとPBRは比較的割安

企業概要や特徴

クミアイ化学工業はJA系の農薬専業メーカー

農薬専業では首位級

海外売上比率が65.5%(2022/10期)と高い

事業セグメントは3つ→①農薬・農業関連(メイン)、②化成品、③その他

事業特性として「売上は上半期に偏り、下半期は利益が少なくなる」(↓)

出典:クミアイ化学工業の2023年10月期の第3Q決算補足説明資料

畑用の除草剤「アクシーブ」の売上伸長が著しく、売上に占める割合も高い(↓)

出典:クミアイ化学工業の2022年10月期の通期決算説明会資料

株価チャート:長期では成長傾向

クミアイ化学工業の1年チャート(出所:Googleファイナンス)*2023/9/13時点

↑はクミアイ化学工業の株価推移(1年チャート)です。

2023年6月頃に株価が一気に上昇。

これは「2023/10期の中間決算発表」にて大幅な増配がアナウンスされたためです。

直近では「2023/10期の第3Q決算発表」を受けてやや大きく下落しています。

クミアイ化学工業の長期チャート(出所:Googleファイナンス)*2023/9/13時点

↑はクミアイ化学工業の長期の株価推移です。

概ね右肩上がりに株価が成長しているといえます。

ただ、2015年頃につけた最高値をしばらく更新できていません。

4996 クミアイ化学工業の「決算(業績推移)」

ここからはこれまでの業績推移を見ていきましょう。

売上高は順調に拡大

出所:IR BANK

売上高は順調に伸びています。

営業利益も堅調

出所:IR BANK

営業利益も概ね順調に伸びています。

特にここ数年の利益の伸び方は大きいですね。

EPSも概ね順調

出所:IR BANK

EPSも長期的には成長傾向

特に2022/10期と2023/10期(予想)はそれまでよりも大きく伸びています。

現預金も増加傾向

出所:IR BANK

現預金も長期的には増加しています。

自己資本比率は低下傾向

出所:IR BANK

自己資本比率は低下傾向が続いています。

設備投資が嵩んでいるようです。

とはいえ2022/10期でも56.4%と高水準

一般的には自己資本比率30%が一つの目安とされていますから、まだ十分な水準といえるでしょう。

営業キャッシュフローはやや不安定

出所:IR BANK

営業キャッシュフローはプラスマイナス入り乱れる感じで、やや不安定ですね。

売上高や営業利益など損益計算書上の項目は良好でしたが、キャッシュフローは少々気になります

フリーキャッシュフローはマイナスがやや目立つ

出所:IR BANK

フリーキャッシュフローもマイナスの年がやや目立ちます

キャッシュフローが懸念点の1つになりそうです。

営業CFマージンもやや弱いか

出所:IR BANK

キャッシュフローが弱いため、結果的に営業CFマージンもあまり良くないです。

4996 クミアイ化学工業の「配当・株主優待」

配当投資家として気になる「配当や株主優待」についてです。

配当推移:増配傾向が続く

出所:マネックス証券の銘柄スカウター

配当金の推移です。

増配傾向が続いており、配当投資家好みの形状といえるでしょう。

2023/10期(予想)で大幅な増配となっています。

少なくともデータがとれる2010年からは、減配は一度もありません。

配当利回りの推移:直近は高め

出所:マネックス証券の銘柄スカウター

予想配当利回りは長い間1%台で推移していました。

2023/10期の大幅な増配を受けて、直近では配当利回り4.0%前後。

過去の推移を考えると、クミアイ化学工業にしては「今は配当利回りがかなり高い」ですね。

連続増配年数:6年

6年(2018/10期~)

配当性向:20%前後と低水準

出所:IR BANK

これまでの配当性向は概ね20%前後とかなり低水準で推移してきました。

2023/10期の予想配当性向も20.5%(同社IRページ)と低く、まだまだゆとりがあります。

配当政策(株主還元方針):安定配当

当社の配当政策は、収益動向を踏まえた株主の皆様への還元及び企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保などを総合的に勘案しつつ、安定した配当を継続して行うことを基本方針としております。

クミアイ化学工業のIRページ「配当金」より

配当政策は「安定配当」です。

10年以上の累進配当実績がありますが、配当政策(株主還元方針)では累進配当や増配に言及していません。

株主優待:なし

なし

アナリスト評価:強気(2023年8月時点)

ここではクミアイ化学工業の「アナリスト評価」と「目標株価」を見てみますが、参考程度に眺めるぐらいの温度感が良いと思います。

アナリスト評価:強気

出所:moomoo証券

アナリスト評価では3名による評価で「強気」となっています。

目標株価:現在化の株価から31.3%の上昇

出所:moomoo証券

目標株価は今後12カ月で「1480円」です。

現在の株価1127円からは「31.3%の上昇」とかなりの上昇幅に。

私自身はアナリスト評価や目標株価はほとんど参考にしません。

ですが「アナリストがどういう目線の評価をしているのか」知っておいても損はないと思います。

トピック:次期中期経営計画にてサプライズはあるか

最後にトピックとして「次期中期経営計画にてサプライズはあるか」です。

私がクミアイ化学工業に注目した理由の一つがこれでした。

↓の決算資料にある「より株主の皆様の目線に立った株主還元」という文言が目を引きます。

クミアイ化学の株主還元策
出典:クミアイ化学工業の2023年10月期の第3Q決算補足説明資料

個人的にはこれまでの配当性向が20%前後とかなり余力があるため、「配当性向の引き上げによる増配があるかどうか」と考えています。

次期中期経営計画の発表は「2023年12月中旬頃予定」と僅か数カ月後です。

出典:クミアイ化学工業の2022年10月期の通期決算説明会資料

ただし当然ですが注意も必要だと思います。

私のようにサプライズを期待した投資が集まってくると、その期待が剥落した時に大きなしっぺ返しを受ける可能性が高いからです。

「期待」が先行した銘柄は大きく膨らんだ風船と同じです。期待が外れて弾けるか、期待通りになって飛んでいくか。

そういう目線での投資をする場合は少し「投機」の色合いを帯びることには留意しましょう。

(2023年12月追記)

↓その後の続報記事です

日本株に投資するなら自分でも銘柄分析はしておきたい

ここまでクミアイ化学工業について私なりの銘柄分析をまとめてきました。

こうした「自分が気になる銘柄」を分析できるツールは何か使っているでしょうか?

日本株へ投資するなら、自分でも簡単な銘柄分析をしてからにすることをおすすめします。

理由はいざという時に「焦って売買をしない」ようにするためです。

誰しも経験することだと思いますが、焦って売買してもロクなことになりません

私自身の反省もありますが、「なぜこの銘柄を保有するのか」自分なりに分析して納得していないと、相場のちょっとした変動でスグ不安になってしまいます。

とはいえ

銘柄分析を自分でした方が良いのは分かるけど、

時間がないし、やり方もわからない

という人も多いと思います。

そんな時は投資情報アプリmoomoo証券(ムームー)も選択肢の1つです。

この記事の作成時にも使いました。

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「気になった銘柄の分析記事」がいつもあるとは限りません。

仮に見つかったとしても情報の漏れがあるでしょうし、自分でも調べて納得できるのが一番ですよね。

このアプリだけで分析はバッチリとはいえませんが、気になった銘柄をサッと調べるには最適です。

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焦って売買して後悔することがないよう、ぜひ試してみてください。

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まとめと雑感:期待が膨らむ有望株だが注意も必要か

以上、クミアイ化学工業について調べてきました。

あらためてポイントだけまとめると次のとおりです。

農薬専業で首位級

決算月が10月で、配当金の受取月の分散に良い(配当は年2回)

配当利回り:4.00%(2023/9/13時点)

配当性向:20%前後

連続増配年数:6年

株主優待:なし

配当政策:安定配当

業績は好調だが、キャッシュフローにやや難あり

除草剤アクシーブの売上伸長が著しいが、依存度も高まりリスクあり

2023年12月発表予定の次期中期経営計画で「株主還元方針」の変更があるか注目

次期中期経営計画での発表内容に対して期待が集まっています。

私自身もクミアイ化学工業の株を保有していますが、この記事の作成を通して「日本の高配当株の中では優良銘柄」という認識を再度確認できました。

2021年に絶好調だった米国株が2022年に一気に低迷したように、期待が先行するとあまり良いことはありません。

クミアイ化学工業への投資についても、「自身の投資方針に照らして」投資する価値があるかどうかを考えたいですね。

*銘柄分析で参考にしたサイト・アプリ

雑感:追加投資に前向きだが「やや投機的」という自戒も込めたい

今回の記事を作成する中で、あらためてクミアイ化学工業の「業績の好調さ、配当余力の大きさ」に魅力を感じました。

2023/10期の第3Qの決算発表を受けて一時大幅に下落した株価ですが、ハイペースでその下落分を取り戻しています。

「PER、PBR、配当利回り」的にはまだ割安な水準だとも感じているので、配当利回り4.0%の目安となる株価1,050円に目線がどうしてもアンカリングされがちですが、もう少し高くても追加投資には前向きです。

とはいえ、私含め12月の次期中期経営計画に対する思惑も交錯している気がしています。

少し投機的かもしれないというのは自覚しながら、投資するか否かの判断をしたいと思います。

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