2022年、株式投資歴6年目で初めての損切りを経験しました。
損切りしたのは、スピンオフを控えている米国高配当銘柄「AT&T株(ティッカーシンボル:T)」。
売却理由は、スピンオフによる一般口座関係の確定申告を避けるためです。
これまでは損失の確定を嫌い、「長期保有の意思はないが含み損になった銘柄」は塩漬けするスタイルをとってきました。
塩漬け後は、株価が回復するまでのんびり配当金をもらい続け、多少の含み益になったタイミングで売却するという流れ。過去の具体例は、日本株の「日本郵政、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、丸紅」などです。
しかし、今回は損益の転換を待つ間にスピンオフを迎えることがほぼ確実だったため、泣く泣く投資方針に逆らって初めての損切りを実行しました。
以下、「AT&Tに投資していた理由、今回の件から学んだこと、雑感」です。
AT&Tに投資していた経緯

AT&Tに投資をした経緯は、私が米国高配当投資を始めた頃に、右も左もよく分からないままに少量購入したというもので、その理由は次のとおり。
- 相当の高配当(当時の配当利回りはうろ覚えですが7%台)
- 長期の連続増配株
購入当時から、AT&Tの財務内容や業績を一部問題視する向きがあったことは承知していました。
しかし、連続増配歴が長かったため、「過去の実績があるから、まあ大丈夫なんだろう」と楽観していました。
結果、大丈夫ではなかった。というのも、業績不振が今回のスピンオフに関係しているようだからです。
先日、楽天証券から次のとおりお知らせが来ていました。これを見て、すぐに成行注文で売却という流れになりました。「確定申告の手間は勘弁」との思いからです。
この度、AT&T(NYSE:T)がWarner Media SpinCo事業部門を分離(スピンオフ)するコーポレートアクションが発表されました。また、スピンオフされた会社は同時にディスカバリー社に買収され、新会社Warner Bros. Discovery Inc(NASDAQ:WBD)となる予定です。
■コーポレートアクション詳細
権利付最終売買日:米国現地2022年4月8日(金)
(権利落ち日:米国現地2022年4月11日(月))
割当比率:AT&T 1株につき、Warner Bros. Discovery株 約0.24株を付与予定
※Warner Bros. Discovery(NASDAQ:WBD)株は、一般口座へ入庫されます。
※株式が1株に満たない場合は現金付与となります。入金予定日は未定です。
■権利確定時点で保有されているお客様につきましては、以下の注意事項をご確認ください
・特定口座で保有されているAT&T株は一般口座へ払い出しされます。
・一般口座へ払い出された株の取得価格は0円で表示されます。
・一般口座でのお取引はご自身での確定申告が必要です。
楽天証券の「お知らせ」から引用
AT&Tへの投資&損切りから学んだこと

今回の一件から自分なりに学んだことは、
- やたらな高配当利回りには相応のワケがある
- 連続増配歴が長いことをもって安全視してはいけない
- VYMなどの高配当ETFの方が高配当投資における手間はかなり少ない
ということです。
実をいえば、AT&Tへの投資を決めた時点でこれらのことは頭に浮かんでいました。
しかし配当利回り7%という数字に魅惑され、見て見ぬふりをしてしまったという感じです。
自分の中で何か引っかかる時は、「まあいいか」で済まさずに、その引っかかりは解消した方が良い。
これが今回の一番の教訓でしょうか。
様子見の投資額しかAT&Tには振り向けていなかったため、今回の損失額は大した額ではありませんでしたが、良い経験として反省します。
雑感
これまで損切りや損失の確定はしないという投資方針をとってきました。
それが今回、確定申告の手間はどうしても避けたいとの思いから初めて損切りをするに至りました。意味の有る無しはさておき、守ってきたものが守れなかったということでなんだか寂しい気持ちがしています。
今のところ私が保有する米国高配当株では、MMMも同様の顛末を辿る懸念があります。こちらはAT&Tよりも投資額が大きいので、損切りとなった場合はより大きな実害が生じることになりそうです。
米国高配当投資でFIREを目指す方々の中には、「VYM、HDV、SPYD」の3種類のETFを通じて目標を実現しようとする例が一定数あるようです。
今回の一件の経験からは、「個別株への投資は避けてETFのみに絞る」というのもそれなりの合理性があるんだと思えるようになりました。
とはいえ、それらのETFよりも配当利回りの高い個別株に投資していく良さ・精神的効用もまた一面ではあるでしょう。
私としては、引き続きVYM+米国高配当株という組み合わせで経済的自立を目指していくつもりです。
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