米国株指数の中でも、優良な指数として以前から一目置かれているものに「配当貴族指数」があります。
日本では、これまで配当貴族指数に連動するファンドへの投資は容易ではありませんでした。
ところが、この配当貴族指数に連動するETFとして「2236 グローバルX S&P500配当貴族ETF」が2023年1月13日に東証に新規上場しました。

東証のETFであれば、機動的に、簡単に売買をすることができます
この「2236 グローバルX S&P500配当貴族ETF」について、
- 基本情報
- 配当貴族指数と指数・人気銘柄のトータルリターン比較
- メリット
- デメリット
- 投資判断のポイント
などを調べて考察したので、簡単にですが本記事にまとめています。
2236が気になる、投資をしようか迷っているという人の参考になればうれしいです。
2236 グローバルX S&P500配当貴族ETFとは
証券コード | 2236 |
名称 | グローバルX S&P500配当貴族ETF |
管理会社 | Global X Japan |
対象株価指数 | S&P500配当貴族指数(円換算) |
上場日 | 2023年1月13日 |
売買単位 | 1口 |
株価 | 991円 *2023/1/13終値 |
信託報酬(税込) | 0.3025%以内 |
分配利回り | 上場したばかりのため実績なし |
分配頻度 | 年6回(隔月) |
決算日 | 毎年1,3,5,7,9,11月の各24日 |
マーケットメイク | あり |
S&P500配当貴族指数は、「S&P500の構成銘柄のうち25年以上連続で増配している銘柄」により構成されるインデックスです。

2236はこのインデックスとの連動を目指すETFです
本ETF組成の思いとして、
当ETFは連続増配に着目した米国株ETFとしては国内で初めての商品であり、投資家の皆さまに新たな選択肢をご提供したいとの思いから当ETFを組成するに至りました
東証マネ部!より引用
とあります。
国内初商品とあるように、配当貴族指数への投資が簡単にできるETFの登場はうれしいことですね。
配当貴族指数(NOBL)のトータルリターン比較
それでは、2236が対象指数とする配当貴族指数は、過去のパフォーマンスが良好であったのかそうでないのか。
ここでは配当貴族指数に連動する米国ETFとして実績・人気があるNOBLと、米国の代表的なETFの配当込みのトータルリターンを比較します。
「2236に投資をするとどのようなパフォーマンスを期待できそうか」を考える材料の一つになるはずです。
比較①:S&P500 > NOBL ≒ VIG > VYM

上の図は、NOBLの比較が可能となる2013年11月~2022年12月という期間で、
- NOBL
- 高配当株ETFの代表格VYM
- 連続増配株ETFとして同じく人気のVIG
- S&P500
のトータルリターンを比較したものです。
結果は、「 S&P500 > NOBL ≒ VIG > VYM 」となりました。
代表的な指数・銘柄を比較しただけあって、どれも良好なパフォーマンスをあげているように見えます。

その中でもS&P500が最も優れ、次いで今回注目している配当貴族指数連動のNOBLとVIGが同等のパフォーマンスとなり、その次にVYMという具合です
比較②:NOBL > JEPI > XYLD > QYLD

上の図は、設定日の新しいJEPIが比較可能となる2020年6月~2022年12月という期間で、
- NOBL
- 高分配ETFとして人気のJEPI
- 高分配ETFとして人気のXYLD
- 高分配ETFとして人気のQYLD
のトータルリターンを比較したものです。
結果は、「 NOBL > JEPI > XYLD > QYLD 」となりました。
今回注目のNOBLが最良のパフォーマンスという結果です。

ただし、JEPIを比較対象としたことで比較期間が短いことには留意が必要です
東証ETF(2236)に投資するメリット7点
2236に投資するメリットについて、管理会社であるGlobal X Japanのホームページからその他のサイトまで色々調べてみました。
私の思うメリットも加えると、概ね次の7点にまとめられます。
- 機動的に配当貴族指数への投資が可能
- 相対的に下落相場に強いことを期待できる
- 円で投資できる
- 為替手数料が不要
- 分配金が出る
- 分配金が年6回(隔月)と高頻度
- 二重課税調整に対応 *参考:トウシル
- 外国税額控除の手間が不要
- 1口単位で売買できるため少額から投資可能
- ドルコスト平均法でも投資しやすい
まずは2236の登場で、ETFとして手軽に配当貴族指数に投資ができるようになったということは大きなメリットです。
分配金が年6回、つまり2ヶ月に1回というのも、配当株投資を選好する人にはうれしいポイントではないでしょうか。分配金が出る度に課税があって投資効率が落ちるという指摘もあるでしょうが、一方で投資のモチベーションを維持しやすいということもあります。

投資方針次第ですね
東証ETF(2236)に投資するデメリット・リスク3点
次に2236に投資するデメリット・リスクについて調べたり考察した結果です。
こちらは、次の3点が主だったものでした。
- 信託報酬が0.3025%とやや高い
- 投資信託「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」は信託報酬0.1155%
- 指数との乖離率に要注意
- 指値での注文を要検討
- 上場してから間もないため、流動性や資産規模に要注意
信託報酬が高いという指摘が比較的多く、私も同意見です。
また、上場後間もなく、資産規模が小さいため流動性に気をつけたいところですね。
目安の一つとしてよくいわれる資産規模30億円をまずは超えてほしいところです。
*2023年1月18日時点の資産規模は3.96億円です(GLOBAL X より)。
投資判断のポイント3点
2236に投資するか否かを検討する時のポイントは、次の3点を自分がどう判断するかということになりそうです。
- S&P500や全世界株といった王道のインデックスファンドではなく、配当貴族指数へ投資する理由が自分の中に明確にあるか
- 円で配当貴族指数に投資をするなら、より低コストの投資信託「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」があるが、それでも2236に投資をしたい理由があるか
- 観点としては、指値での注文、機動的な売買、分配金、など
- 上場から日が浅く、現状では流動性や分配利回りが不透明だが、納得できているか
個人的には、しばらく様子を見て、流動性や資産規模に問題がなさそうであればサテライトとしての投資として良い選択肢になり得るかと考えています。
- 分配金が年6回もらえる
- 連続増配銘柄で構成されており将来の分配金への期待が高い
- 為替手数料をかけずに売買できる

この3点が、配当株投資を選好する私としては高評価です。
雑感
今回、東証の高分配ETFを調べていた中で、偶然2236を発見しました。
日本株からの配当金の再投資先として高分配ETF(2868など)はどうかと調べていたのですが、配当貴族指数には以前から注目していたこともあり、せっかくだから2236について調べてみようとなった次第です。
調べた感想としては、「魅力的な点は十分にあるが、資産規模や乖離率などしばらく様子を見てから検討した方が良さそう」というものです。
高いトータルリターンが期待出来たり、分配金が2ヶ月に1回もらえるといった点は個人的には好印象なのですが、信託報酬がちょっと高いかなという印象は拭えないですね。
しばし様子を見てから、具体的な検討に入りたいと考えています。
【補足】”なんとなく”の投資で損失を出す前に
配当貴族ETFについての記事をここまで読んだ方なら、おそらく
- 本当に配当株を買っても大丈夫なのか心配
- FIREに興味があるけどよく分かっていない
- 投資について知識が足りていないのではと不安
このような悩みをもっていませんか?
こうした悩みを抱えたまま「忙しくて投資について調べる時間がないから…」と、なんとなくの投資を続けてしまうと
- 暴落局面で狼狽売りをして大きな損失を出してしまう
- 気づかずにFIREに向かないポートフォリオにしてしまう
- 投資方針がブレて無意味な売買を繰り返し、手数料で損をする
このようなことになってしまう人も多いでしょう。
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投資の知識を学べば
- 暴落局面をチャンスにする
- FIREと相性の良いポートフォリオを組む
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聴いた本の一例を挙げると次のようなものです。
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