- 酪農の仕事に興味のある方
- 酪農家の日常に興味のある方
- これから酪農業で働く方
こうした方々の参考になればという思いから、私が一般企業から酪農業へ「転職して良かった」と感じられたことをご紹介します。
酪農の良い面、大変な面の両面を知った上で、読んでくださった方の酪農観が深まると良いなと考えています。
前回は、「四季を感じられる」ということでした。
今回は「仕事や作業の目的が明確である」という点です。
仕事の目的は必ずしも明確ではない
酪農業で仕事をするようになって「仕事や作業の目的が明確で、もやもやせずに済む」ということをよく感じます。
「仕事の目的が明確であるなんて当り前じゃないか」と思われる方もいるでしょう。
しかし、これまでに学生時代のアルバイトを含めていくつかの職場を経験した身としては、決して当り前ではありません。
比較対象があるとわかりやすいので、私の前職での出来事を例にとってみます。
例えば、次のような目的不明瞭・意義の見出せない仕事がありました。
- 前例踏襲を続けた結果、何のためにやっているかみんながわかっていないこと
- 朝礼や週初めの定例会議など
- グループ会社内での接待
- 簡単な社内会議のためだけに時間をかけて行う資料作成
- CSRのための外部パフォーマンス(写真を撮るための清掃活動など)
同じ様な経験をしたことがある。そのような人も多いのではないでしょうか。
このように、目的がはっきりしなかったり意義が見いだせない仕事があると、仕事そのものに対するモチベーションが下がります。
私の感覚ですが、特に今の30代前半以下の人は、「その仕事に真に意味があるかどうか」を重視する傾向が強い。そのように感じます。
酪農業では意味や目的のない仕事は滅多にない
翻って酪農業における仕事や作業を考えてみましょう。
- 搾乳における清拭、ディッピング、前搾り、ミルカーの装着方法
- 飼料調製の際の作業順序、ミキサーの攪拌時間
- 糞尿処理の方法
など様々にありますが、いずれも一つ一つを見ていくとそれぞれにちゃんとした意味や目的があります。
また、酪農業は中小規模の牧場が多く、大規模な牧場であっても人手が有り余るということがそれほどありません。必然的に、意味や目的のない作業は省かれていく。
今自分が行っている仕事にどんな目的・意味があるのか。
その答えがすぐに分かるということは、実は仕事をする上で非常に重要な要素であると思います。
雑感
何事も比較をしてみるとわかりやすいですね。
酪農の良さを考える時にゼロの状態から思いつく点もそれなりにはあります。
ですが、それに加えて他の仕事、私の場合では前職で働いていた時のことですね、そうしたものと比べて考えるとよりはっきりと分かってくることがあります。
働くうえで、給料や休日などの待遇がどれほど良いのかというのは当然気になるところ。ですが、やはりそれだけではないですね。
- 何のための仕事なのか
- その仕事の目的は何であるのか
こうした点がはっきりしていて、かつそこに価値を感じられるか否かというのは決して無視できない要素であるように思います。
その点、酪農業は仕事や作業の目的が明確であるものが多いと感じています。
身体動作を伴う仕事が多いため、無理や無駄に気づきやすいのでしょう。家族経営などは特にそうですが、人手が限られることも冗長な仕事を生みにくいことに繋がっている気がします。
いずれにせよ、「仕事や作業の目的がはっきりしている」という点は酪農業の良さの一つです。
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