- 酪農業で働くことに興味がある
- 酪農業で実際に働くことが決まっている
- 酪農業で働き始めたばかりで不安を抱えている
そうした人の参考になるかもしれないということで、私が就農したての頃に、
- 苦労したこと・大変だったこと
- その対処
をいくつか取り上げています。
前回は、8つ目として「においや汚れ」でした
そして今回取り上げる9つ目は、「マニュアル車の運転」が難しかったということです。
ポイントだけ先に書いておくと、
- オートマ車に乗り慣れていても、マニュアル車はまた別物
- クラッチ操作と、ギアチェンジに慣れるまでが関門
- クラッチの意味を理解することが第一。あとは練習あるのみ
- 牧場では、軽トラ、ダンプカー、フォークリフト、トラクターなどマニュアル車を運転する場面が非常に多い
です。
以下、具体的に書いていきます。
説明
牧場で乗るマニュアル車の例
酪農においては、マニュアル車を使用することが非常に多いです。
具体的にどんな乗り物があるかというと、牧場にもよるでしょうが
- 軽トラック
- 中型 or 大型自動車(ダンプカーや牛を乗せる大きめのトラック)
- フォークリフト
- トラクター(給餌用や牧草地作業用)
あたりが一般的だと思います。
私自身は、学生時代に自動車学校でマニュアル車に乗って以来、マニュアル車を運転する機会というのは何年もありませんでした。
その状態で牧場での仕事が始まったため、初めはかなり苦労しました。
とにかく難しかったのが、クラッチ操作とギアチェンジ。
慣れてしまえばどうということはありませんが、それまでは思うように運転できず歯がゆい思いをしました。
就農に合わせてまず大型免許の取得をした
私の場合は、まず就農に合わせて自動車学校に再度通いました。
大型自動車(←ダンプカー運転のため)と大型特殊自動車(←農業用トラクター運転のため)の免許を取得するためです。
この時点で大変に苦労しました。マニュアル車をほぼ運転したことがないことを伝えた時の教官の苦笑いは今でもよく覚えています。
クラッチやギアチェンジの操作に慣れるのに手一杯な中、同時に大型の車両を扱うというのはすごく大変でした。日々、自動車学校に通うのが憂鬱で、なかなかストレスフル。
何とかして免許を取得し、ようやく牧場の各種車両も扱えるようになりました。
私の感覚では、操作が難しかった順に並べると
- 中型or大型トラック
- トラクター
- 軽トラ
- フォークリフト
という感じでした。
フォークリフトはわりとすぐに慣れ、扱いやすかったです。
マニュアル車の何が難しかったか
結局、マニュアル車を運転するにあたり、何に苦労したかというと、
- 発進(半クラッチ)
- 坂道発進
- ギアチェンジ(発進直後や右左折など)
- 大型車両の扱い(車幅の感覚、車両後方がよく見えない、など)
- 恐怖心・苦手意識の克服
です。
つまるところ、最後の「恐怖心・苦手意識の克服」という点が最大の難関だったように思います。
対処:クラッチの理解と練習を重ねる
このマニュアル車の運転が難しいということへの対処として、効果があったのは次のものです。
- YouTubeやウェブサイトを見てクラッチの意味・仕組みをよく理解する
- 牧場内でひたすら練習する
- 公道を短い距離走行する練習を重ね、自信をつける
「クラッチの仕組みをなんとなくでも理解する」ことはとても重要です。
- クラッチを踏むとどういう意味があって
- クラッチから足を離すとどうなるのか
この2点をまずは押さえましょう。
その後は、ひたらすら練習あるのみです。
運転になれてきて操作にも自信がついてくる頃には、自家用車よりも扱いやすいとすら感じるかもしれません。
私の場合はそうでした。
雑感
マニュアル車の運転は慣れれば本当にどうということはないのですが、それまでは大変ですね。
いかに苦手意識を克服し、実践の積み重ねで技術の習得・自信の獲得につなげていくかという点が肝でしょう。
ところで、なんとなくマニュアル車の運転・大型車両の運転というと男性がしているイメージが強いのではないでしょうか。酪農業においてこの点がどうかというと、女性でも大型トラックで牛糞を運んだり、トラクターを操作して給餌作業をこなすといったことは普通にあります。家族経営の場合はもちろんのこと、法人経営において女性従業員さんが就職後に免許を取ってマニュアル車の運転をするというのは、少なくとも私の地域ではかなり一般的です。
初めこそ大変かもしれませんが、慣れればどうということはなく、できる仕事の範囲も広がるのがマニュアル車の運転です。
最近の私は、オートマの自家用車に乗るとクラッチ操作やギアチェンジがない分物足りなさを感じることすらあります。
以前はできるだけマニュアル車の運転を避け、オートマに乗りたがっていたことを考えると随分変わったものです。
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