【酪農】業界動向や私の労働状態(定点観測/2022年8月)

酪農
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2022年5月に始めた酪農ジャンルに関する定点観測記事となります。

定点観測記事を始めた趣旨は次のとおり。

酪農業は多くの方々からは遠い存在です。

一方で、一定数ですが遠いところから酪農に興味を持たれている方もいます。仕事としての酪農に興味がある方や牛乳や牛肉の消費者さんですね。

しかし、その興味関心に十分に応答できている情報媒体はそれほど多くないというのが私の印象。

なのでこの記事では、

  • 一酪農家から見た現在の酪農業界動向
  • 私の労働状態考えていること(酪農業で実際に働いている人間の一事例として)

について簡単に記していきます。

いずれも酪農を仕事とする一個人の私見ですが、酪農に興味を持たれている方に対して現場の声・温度感が伝われば幸いです。

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酪農情勢

景況感

引き続き、非常に悪いです。

構造的な苦境として、

生乳や牛肉の販売単価の伸び率 <<< 飼料代や機材などの仕入れ単価の伸び率

という状態が継続。

インフレが関係しているのですが、要は「売上がそれほど伸びない一方で、支出がすごい勢いで増えている」ということです。

生乳に関しては昨年以降、時期によってニュースとなる生乳廃棄危機など「需給の緩和」が重しとなっています。ネガティブな印象が強く、生乳の販売単価が伸びていません。

牛肉に関しては、コロナ禍で消費が減速。業者さんの在庫が積み上がったり、コロナの流行状況に牛肉消費が左右されたりすることが足枷となっていますね。

一方、牧場の支出は大きく伸びています。

海外依存度の高い飼料はもちろんのこと、トラクターやミキサーなど海外製の機械、動物用医薬品など大幅な値上がりが続いています。

「生乳や牛肉の販売単価の決定メカニズム(乳業メーカーとの交渉や牛肉相場)では、支出増加分の価格転嫁が十分に為されない」という点が課題の根幹でしょう。

六次産業化により自社で直接消費者に製品を販売できる牧場であれば、この難局を乗り越えるのに多少のアドバンテージがあるかもしれません。

業界が抱えている課題(最近のトピック)

  1. 飼料費の高騰(特に7~9月期の飼料単価は過去に例名のない水準の上り幅となった)
  2. 価格転嫁が期待されるところだった乳価や牛肉相場が諸々の背景により不調
  3. 上記全般を受けて、2022年は多くの酪農家の損益が非常に厳しくなる見通し
  4. 廃業する酪農家が少しづつ増えてきた

業界が抱えている慢性的課題

  1. 飼料の海外依存度が高く、飼料価格に経営が大きく左右される
  2. 需給調整が難しく、しばしば生乳廃棄危機が取り沙汰される
  3. 慢性的な人手不足
  4. 日本の低成長による相対的魅力度の低下から、外国人技能実習生を年々受け入れづらくなっている
  5. 人材の定着率が悪い

私の労働・考えていること

最近気になっていること

  1. しばらく前に折れた自身のモチベーションがなかなか持ち直さないこと(底打ちはしている)
  2. 経営環境の大幅な悪化を受けて周囲の酪農家で廃業するところが出てきてしまっている
  3. 経営環境がどのタイミングで、どの要素をきっかけに好転することがありうるのか
  4. コロナウイルスの流行に左右される形で、牛肉相場が芳しくない
  5. 生乳廃棄危機等の騒動を経て、どうやら乳業メーカーや国・行政は酪農業界への逆風にこれといった支援策は採らず、非効率な酪農家が自然淘汰されていくことを期待しているように見える
  6. 今年の夏はアブやサシバエといった吸血昆虫が非常に多いと感じる→牛にとっても良くないし、自分も刺されるとかゆみが強くやっかい
  7. 牧草収穫期に突入しており、1日13時間労働と暑さのダブルパンチで体力的に踏ん張りどころ

作業中に聴いているポッドキャスト

  1. COTEN RADIO
  2. よっしーのワクワク天職ゼミ

仕事をしながら、その気になれば毎日8時間ぐらいはポッドキャストを聴くことができます。

COTENRADIOはもはや4周目ぐらいですが、他にめぼしい番組が見つからないので繰り返し再生。1周目2周目よりはやはり発見すること、感じることは少なくなってきます。しかし、歴史の知識が定着しやすかったり、それまでは聞き流していた内容が急に自分に響いたりとまだ発見することがあったりします。

よっしーのワクワク天職ゼミは、パーソナリティのお二人(元DeNA社員かつベンチャー起業者、天台宗僧侶)の仕事観や人生観がとても興味深い。まだ始まって間もない番組ですが、続きを楽しみにしている番組です。

2022年8月現在の所感としては以上です。今後も不定期に(できたら月1回程度)定点観測記事を書いていきます。

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