- 酪農業に従事し始めた人
- 酪農業で働くことが決まっている人
- 酪農業に興味がある人
就農直後に苦労したことの10点目です。就農間もない頃に苦労したことシリーズは今回で出尽くした感があります。
私が酪農業に従事することを決めた際、実際に働き始める前に教科書的なものを探しました。しかし、酪農の基礎知識を網羅的に収めたテキストがなかなか見つからず、見つかっても値段が高いという苦労がありました。そのようなお話です。
説明
私は牧場で働き始めるまで、酪農に関する知識はほぼ皆無でした。実家が牧場でしたが、ほんとに簡単な作業を小さい頃に手伝っていたぐらいで、知識レベルは一般の方と変わりませんでした。高校では普通科、大学では経済系の学部でしたので、農業や酪農について学ぶことはありませんでしたね。
ビジネスモデル、機械・器具の名称、酪農用語、乳牛の習性、など全く理解していませんでした。ホルスタイン種なら雄でも牛乳は出るのか、雌ならいつでも搾乳できるのか、など今となっては驚くような疑問を抱いていました。(雄は牛乳は出ませんし、雌でも分娩を経ないと搾乳できないです)
そんな状態だったので、知識ゼロでいきなり牧場で肉体労働を始めるというのは私にとってかなり不安でした。なので、就農前に教科書的なものを読んで予備知識・基礎知識ぐらいは学んでおこうとなった次第です。
しかし、実際にテキストを買おうにも、
- どこで買えばよいのか
- 何を買えばよいのか
がわかりませんでした。時間をかけて調べたり、伝手を頼ってなんとか酪農全般の基礎知識が学べる書籍を見つけましたが、数も少なくかつ高価でした。サラリーマンの時は、簿記やFPのテキストを探すとたくさんの選択肢があり、かつ一冊当たりも千円台で安価だった覚えがあります。対照的でした。
私が購入した書籍は、『新しい酪農技術の基礎と実際』という本です。基礎編と実技編の2冊合計で7~8千円だったように思います。高かったですね。

対処
- 我慢して買う
- メルカリで買う
- 知り合いの酪農関係者に譲ってもらう
あたりが取りうる選択肢ではないでしょうか。購入する場合は、できるだけメルカリなどのフリマアプリが良いでしょうね。定価で買うよりも相当安価に購入できます。
雑感
酪農関係の本というのはマーケットが小さすぎるのかもしれませんね。それゆえ、製作に要した諸々の費用を回収しようとするとどうしても単価が高くなってしまうのかもしれません。
定期購読ができる業界誌に、「デイリージャパン」、「デイリーマン」などがあります。同業者の方と話すと、これらで酪農の知識を得たという方もしばしばいます。しかし、私からするとやはり購読費が高いですね。絶対的な価格云々というよりも、内容の量・質と価格のバランス、完成された書籍一冊と比べた場合の価格対効果の劣後感が気になったのです。
一方で、酪農の勉強をしようと思うと、書籍購入という初期投資は必須だとも考えています。体系的かつボリュームのある知識を得ようと思うと書籍が相当に有用だからです。ネット検索でも搾乳の仕方や牛の観察法などを見つけることはできるのですが、どうしてもブツ切りの知識になります。気になるトピックをつまみ食いしていったとしてもどうしても抜けが出てきます。しかし、牧場で仕事をする際には、酪農の全般的知識が必要だったりします。そうしたネット検索のデメリットをカバーしようと思うと、やはり書籍というのは最有力の選択肢になります。
今回は、酪農関係の書籍は絶対数が少なく、価格が高いという話でした。私のように、酪農業界の外から知識をほとんど持たずに就農したという方は、同じような経験をされたのではないでしょうか。
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