- 酪農業で働くことに興味がある
- 酪農業で実際に働くことが決まっている
- 酪農業で働き始めたばかりで不安を抱えている
そうした人の参考になるかもしれないということで、私が就農したての頃に、
- 苦労したこと・大変だったこと
- その対処
をいくつか取り上げています。
前回は、6つ目として「体力的に厳しい」ことでした
そして今回取り上げる7つ目は、「傷が絶えなかった」ことについてです。
ポイントだけ先に書いておくと、
- 牛に踏まれたり、何かを持ったり掴んだりする時にケガをしたりと、何かと傷を負う場面が多い
- 次第にケガをしやすそうな場面に自分が気付くようになったり、手袋をつけて作業をしたりすることで、ケガのリスクはしっかり下げられる
です。
以下、具体的に書いていきます。
説明:就農後しばらくは傷だらけ
酪農は肉体労働が主であり、動物や機械を相手にする場面が非常に多いです。
そうした中で何かとケガをすることが多かった。しばらくは手や足の至る所に傷がありました。
今思い返すと、次のような場面でケガをすることが多かったです。
- 牛を扱う時
- 物を持つ時
- 機械や牛舎の柵などを修理する時
- 移動の際(はしごの昇り降りや柵をくぐる時など)
いうまでもなく牛は動物であり、こちらの思った通りに動いてくれることばかりではありません。
搾乳の際に、気が立っている牛に手を踏まれたり、牛を搾乳する場所へ集団移動させる際に足を踏まれたりしました。数百キロもある巨体に踏まれることになるので、その痛みや危険性はなかなかのものです。
また、牧場では修理道具やバケツ、飼料袋など様々な物を持ち運ぶ場面があります。そうした際に素手で作業をすると尖った部分で簡単にケガをします。
同様に、機械や牛舎の壊れた柵など設備を修繕する時も、金槌やクギ、ドライバーなど種々の道具で自分に傷を作る場面というのは少なくありません。
さらに、はしごの乗り降りや牛舎の中の柵をくぐったりするときに、頭や腰、腕などをぶつけて傷ができることも非常に多いです。
「そんなに体をぶつけることなんてある?」と思われる方も多いでしょう。しかし、不思議とほんとによくぶつけるんですね。見聞きしていると私だけではなく、牧場で働いている多くの人が同じ痛みを味わっているようです。
対処・経過:素手で作業をせずに、ゴム手袋や軍手を着用しよう
今回の「傷が絶えない」ということについては、他の大変だったことと比べて、比較的対策を講じやすいです。
初めからできる対策として素手で物を扱わないということです。
- ゴム手袋
- 軍手
- ゴム手袋+軍手
こうした装備したうえで作業をするだけでも、かなり傷を負うリスクは低減できます。
また、こちらは慣れの話ですが、ケガが増えてくると自然と危険予測ができるようになってきます。
この場面では注意しないとケガにつながるなというのが本能的に分かって体が対応できるようになってくるんですね。残念なのは、そうなるまでには最初の方はどうしても痛い経験を経るしかないということです。
もちろん、今でも私自身、ケガをして傷を作ることはありますが、就農当時と比べるとその頻度は激減していますし、程度も軽いことがほとんどです。
雑感:不安になり過ぎる必要はない
牧場で働き始めてすぐの頃に苦労したことを挙げ始めて今回で7つ目となりました。
文章だけで「よくケガをする」ということを見ると、何だか不安に感じる方も多いかもしれません。ですが、たいして心配は要りません。
どのような仕事にせよ、そこで働き始めたばかりの頃というのは誰しも苦労することがあるでしょう。仕事内容はもちろんですが、同僚の方々の人となりが分からなかったり、その職場では当たり前とされていることがどんなことなのか、そうした部分が見えてこないうちというのは不安が募る頃だと思います。
私がサラリーマンとして働き始めたばかりの頃も、取引先の企業から見れば新社会人だろうが何だろうが関係なく、一人のプロとして見られ、「これについて君の会社はどういう目線か」ということを聞かれることもしばしばでした。業務知識などろくにない頃でしたので、かなりプレッシャーに感じたことを覚えています。それでも、そのプレッシャーを糧に自分で調べたり先輩に助言を求めるなどして何とか対応していました。
牧場での仕事も、初めの頃は戸惑うことが非常に多いと思います。一般の方々からはそもそも想像がつきにくいであろう職場であるので、実家が牧場という方を除けば多くの人が少なからぬギャップを感じるでしょう。
しかし、上でも述べた通り結局はどこで仕事をしても初めは苦労が多いはずです。そこを越えれば次第に慣れを感じ、自分自身の能力を発揮しやすくなってくると思います。
あまり不安になり過ぎず、とりあえずは興味のあることに行動を起こしていくことが後々の自分のためにも良いですよね。
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