- 酪農の全体像や基礎知識がつかめるような入門本を知りたい
- 酪農家が取引相手のため、酪農業の大枠をつかんでおきたい
- 酪農業で働くため、教科書として読むべき本を知りたい
- 酪農作業は一通り覚えたため、次のステップへ進みたい
という方に向けた記事です。
初心者の状態から牧場で働き始めた私自身、酪農の本として何を読んだらよいか分からなくて困ったことがよくあります。
本を探すことも大変でしたし、それらしいタイトルの本を見つけても口コミがほとんどなく、買ってよいか悩むこともしばしば。
そんな経験から、今回は一酪農家の私がこれまでに実際に読んだ本の中から、読む人別におすすめできる本(読みやすい本、もしくは多少読みにくくても中身が充実している本)を8つご紹介します。
今回取り上げるのは↓の本(★がついている本は特におすすめです)
▼初心者向けのおすすめ酪農マンガ
❶銀の匙 Silver Spoon
❷百姓貴族
❸毎日、牛まみれ ★
▼入門や基礎知識を得るのにおすすめの酪農本
➍家畜飼育の基礎
▼教科書としておすすめの酪農本
❺新しい酪農技術の基礎と実際(基礎編) ★
❻新しい酪農技術の基礎と実際(実技編)
▼応用編
❼こうすれば農場はもっとうまく回る
❽テレビ・ドクター4 よく分かる乳牛の病気100選
この記事が酪農初心者さんから実際に働いている人まで、それぞれの立場に合った本が見つかるきっかけになればとてもうれしいです。
↓酪農関係者に役立つ「一般書籍」を知りたいという場合はこちらの記事をご覧ください
初心者向けのおすすめ酪農マンガ:牛を知る
「酪農がどんなものか興味があるけど、文章ばかりの本を読むのは大変」
「まずはイラストや絵で酪農のイメージを知りたい」
そんな人におすすめなのがマンガ。
気軽に楽しんでいるうちに、自然と酪農のことが分かるようになります。
ここでは酪農の様子がしっかりと描かれているマンガを3つご紹介。
これらのマンガを読めば酪農のイメージや大まかな雰囲気をつかむことができるでしょう。
3つのうちどれを選んだらよいか決められないという方は、3つ目に紹介する『毎日、牛まみれ』が「一冊だけで酪農の雰囲気をしっかりとつかめる」ためおすすめです。
❶銀の匙 Silver Spoon
- 内容
- 北海道の農業高校が舞台の学園マンガ
- 家族経営の酪農から法人経営の先進的酪農まで色々な酪農のカタチが登場する
- おすすめできる人
- ストーリーとしてもおもしろい酪農漫画を読みたい人
- 長編マンガが好きな人
『銀の匙 Silver Spoon』は荒川弘さん原作のマンガで、北海道の農業高校が舞台。
単行本で15巻まで発売され、既に完結しています。
アニメ化、実写映画化もされた作品なのでご存知の方も多いでしょう。
作品の中では、酪農業が重要なポジションで扱われています。
私がおすすめするポイントは次の2点。
- ストーリーがおもしろく、最後まで楽しく読める
- 作者の荒川さん自身が酪農家のご家庭出身で、リアルな酪農観が表現されている
まず1点目は「ストーリーがおもしろく、最後まで楽しく読める」こと。
原作者の荒川弘さんは大人気を博した『鋼の錬金術師』の原作者でもあります。
登場人物のキャラクターが魅力的で、ストーリー自体もとてもおもしろく描かれています。
おすすめポイント2点目は、「作者の荒川さん自身が酪農家のご家庭出身で、リアルな酪農観が表現されている」こと。
実際に数年間牧場で働かれていたこともあり、牛や酪農作業の特徴、酪農業の雰囲気など、かなり現実的な描かれ方をしています。
日頃、酪農の現場で働いている私からしても「うんうん」と頷いてしまうような事柄がたくさん出てきていました
「まずはマンガを楽しみつつ、酪農のことも知りたい」という人に最適なマンガです。
❷百姓貴族
- 内容
- 酪農家出身である作者(『銀の匙』作者と同じ)の実体験を基にしたエッセイマンガ
- 酪農家の日常や乳牛の性格などがコミカルに描かれている
- おすすめできる人
- ストーリー仕立てのマンガよりもエッセイマンガを読みたいという人
- 少しマニアックな内容が好きな人
『百姓貴族』は『銀の匙 Silver Spoon』と同じ荒川弘さん原作のエッセイマンガ。
2022年11月時点の最新刊は7巻で、今も製作が続いています。
荒川さんが実家の酪農業に従事していた時の実体験を基に、酪農家の日常や乳牛の性格などをコミカルに描いている作品です。
内容は酪農業がしっかりと扱われつつ、畑作やご家族の面白エピソードも多数登場するという感じ。
銀の匙がストーリー主体だったのに対し、百姓貴族はエッセイマンガなのでややマニアックです。
しかしその分、酪農の実態に踏み込んだ内容も多く、銀の匙よりもさらに深く酪農業の日常を知ることができるでしょう。
エッセイマンガといっても堅苦しさは全くなく、笑いや蘊蓄を織り交ぜた内容となっているので、楽しく読むことができますよ。
❸毎日、牛まみれ ★
- 内容
- 酪農業で働く作者が描く、酪農のエッセイマンガ
- 乳牛の性格、エサやり、人工授精、出産、搾乳、出荷、など乳牛や酪農の現場に焦点を当てている
- おすすめできる人
- 『銀の匙』『百姓貴族』よりもさらに酪農の現場感が濃いマンガを読みたい人
- シリーズもののマンガを用意するより一冊で酪農の雰囲気を知りたい人
『毎日、牛まみれ』は、非農家出身である作者・牛川いぬおさんが、転職をして酪農業界に飛び込んだ後の実体験を基にしたエッセイマンガ。
酪農に馴染みのない方と同じ目線で見た酪農業が描かれているので、非常に読みやすいです。
同じ酪農業で働く私が読んでも強く共感できることばかりで、とても上手に酪農の様子がまとめられています
個人的に気に入っている点は、乳牛の愛すべき特徴など酪農の明るい面はもちろん、逆の暗い面もしっかりと描いていること。
暗い面とは、この本の中でいうと「自分が子牛の頃から大切に育ててきた乳牛を経営的な事情から非常に早い段階で出荷・屠畜しなければいけなかった」というエピソードなどに象徴されています。
ペットではない「経済動物」としての乳牛にどういう思いで向き合っているか。
酪農の現場で多くの人が向き合い続けているテーマを、とてもリアルに描いています。
シリーズものではないので、1冊のみで酪農業の日常を知ることができますよ。
酪農を仕事にするとはどういう感じか、乳牛とはどんな動物か。興味がある方には是非読んでほしい一冊です。
酪農マンガとして3作品を紹介しましたが、どれを選んだらよいか決められないという人には、まずはこの『毎日、牛まみれ』をおすすめします。
入門や基礎知識の勉強におすすめの酪農本:酪農の全体像を知る
酪農の全体像や基礎知識がつかめるような入門本としておすすめの一冊をご紹介します。
この本を読めば、酪農にどんな作業や仕事があり、何に注意しないといけないのか、具体的な用語も織り交ぜつつ基礎知識が分かるようになります。
➍家畜飼育の基礎
- 内容
- 畜産業(特に酪農・肉用牛・養豚・養鶏)の基礎知識
- 酪農業のページでは、乳牛の特徴、品種、飼うための施設、エサ、繁殖、搾乳、管理方法、子牛、病気、牛乳、などがテーマとして扱われている
- おすすめできる人
- 酪農業の施設や仕事の種類など全体像をおおまかに知りたいが、分厚い本は避けたいという人
- まずは酪農の基礎知識だけを押さえたいという人
- 酪農を含めた畜産(牛・豚・鶏)全般に興味がある人
- 酪農家を取引相手としている人(業者さん、農協、行政関係者など)
『家畜飼育の基礎』は、畜産業の基礎・基本について書かれた本。
畜産の現場で必要になる細かい知識というよりも、
- 畜産業全般の基本知識
- 酪農・肉牛の全体像
- 養豚の全体像
- 養鶏の全体像
を学ぶことに適しています。
イラスト主体の漫画ではなく、文章で「酪農や畜産の基礎・基本を知りたい」という時に最適。
畜産を学びたい学生さんや、畜産業と関わる仕事をしている人などにおすすめしやすい本ですね。
教科書としておすすめの酪農本:酪農の知識を網羅的に勉強する
「これから酪農業で働くことになったけど、どんな本を読んで学んだら良いかわからない」
そんな人におすすめできる酪農の教科書をご紹介。
この二冊さえあれば、酪農作業を一通りしっかりと学ぶことができ、牧場で働くうえで必要な知識をかなり網羅的に押さえることができるでしょう。
個人的に強くおすすめできる本です。
❺新しい酪農技術の基礎と実際(基礎編) ★
- 内容
- 酪農の教科書的な本
- 理論や知識が中心
- 繁殖、搾乳、栄養、病気など酪農で必要となる知識を1冊で網羅している
- おすすめできる人
- これから酪農業で働く人
- 牧場の現場で起きていることがいまいちよく分からないという人
- 既に酪農業で働いていて、酪農の知識を網羅的に学びたい人
- 酪農ヘルパーを目指している人
『新しい酪農技術の基礎と実際 基礎編』は、酪農業の教科書的な位置づけの本。
副題は「酪農ヘルパー専門技術員必携」。酪農ヘルパーさんは、酪農家の代わりにその日の牧場作業を行ってくれる方々のことで、そのおかげで酪農家は休みを取れます。
つまり酪農ヘルパーさんは酪農全般の知識を持ちつつ、作業も一通りこなせる必要があります。
その酪農ヘルパーさん向けに作られた本でもあるので、酪農で必要な知識をこの一冊でしっかり押さえられるのです。
私自身、酪農業で働くようになってからこの本を購入し、3周ほど読みました
私の場合、本書を読む前と後では酪農に対する理解度が全く違っていて、読み終えてからは日々の牧場仕事の精度がかなり高くなりました。
知り合いの獣医さんも本書を絶賛して、「酪農業で働く初学者にはまずはこの一冊がいい。内容も広く、それなりに深いから、獣医の自分でも勉強になることがたくさん書いてある。」とのこと。
酪農経営者、後継者、従業員さんにしろ、この本をしっかりと読んだ人は、牧場ではかなりの戦力になることができるでしょう。
酪農の知識を体系的に学ぶことができれば、牧場にいて「目の前で起こっていることがどういうことなのか」一つ一つよく分かるようになります。
すると、仕事に対する不安もかなり解消することができますし、知識が多ければ「ここを改善しよう」「新しくこういうことをやってみよう」という意欲も湧きやすくなります。
そのための一冊として本書はとてもおすすめ。
もし酪農業に従事している方におすすめの酪農本を一冊だけ選ぶとしたら、私は本書を選びます。
❻新しい酪農技術の基礎と実際(実技編)
- 内容
- 酪農の教科書的な本
- 実際の作業の解説が中心
- 牛との接し方、分娩の対応方法、エサの作り方、など酪農の現場で実際に行っている作業を網羅的に解説している
- おすすめできる人
- これから酪農業で働く人
- 牧場の現場で起きていることがいまいちよく分からないという人
- 既に酪農業で働いていて、酪農の知識を網羅的に学びたい人
- 酪農ヘルパーを目指している人
先述の⑤『新しい酪農技術の基礎と実際 基礎編』が理論や知識中心だったのに対して、こちら⑥『新しい酪農技術の基礎と実際 実技編』は実際の作業のやり方の解説が中心。
牛の手入れ、健康状態の見方、発情の見つけ方、搾乳のやり方やポイント、糞尿処理の流れ、暑熱対策、などなど実際の作業について具体的なことが解説されています。
まずは基礎編をしっかりと読んで酪農の知識を大まかに押さえた上で、本書を活用するという順番がおすすめです。
応用編:牧場のリーダーや牛の病気が気になる人へ
ここでは応用編として、
- 牧場のリーダー的な立場(=管理職)にいる人、牧場の運営体制に課題を感じている人
- 牛の病気事典のような本を持っておきたい人
にそれぞれおすすめの2冊をご紹介します。
❼こうすれば農場はもっとうまく回る
- 内容
- 実践的な牧場の運営・マネジメントについて書かれている本
- 牛の扱い方、牧場の労務管理、牧場のデータの収集や分析方法、作業のマニュアル化、など
- おすすめできる人
- 牧場の運営やマネジメント体制に課題を感じていて、改善したいと考えている人
- 酪農経営者、後継者、農場長などの牧場幹部
- 酪農の理論的な知識というよりも、実際に何をすると牧場の改善ができるかという実践的な知識を得たいという人
静岡県で先進的かつ大規模な酪農経営をしている「朝霧メイプルファーム」の丸山純さんという方の本。
酪農業界でも注目されている先進的な牧場が、紆余曲折を経ながら作り上げてきた牧場運営の実践的なノウハウが紹介されています。
本書『こうすれば農場はもっとうまく回る』は、私が持っている『若い酪農家が奮闘し気がついたこと…』という本を増補改訂したパワーアップバージョン。
私が持っている増補改訂前の本の段階で、
- 乳量や人工授精など「どんなデータを取り、どのように分析し、どう改善に活かすか」
- 休日を確保するためにどのようにシフトを組むか
- ミーティングンのポイント
- どのようにマニュアルを整備して作業水準の底上げをするか
など、すぐに使えるノウハウが幅広く紹介されています。
私にとっては、特に牧場のデータ収集とその分析が参考になりました
本書を読む前は、そもそもどんなデータを日々集めていったら良いかもわからず困っていたので、本の内容を見よう見まねで試していったら、すぐに役立てることができました。
乳牛の体の仕組みといった理論的な話ではなく、いかに牧場を運営するか・体制を整えるかというマネジメント面に重きを置いている本。
酪農でこれから働くという段階の人よりも「経営者や農場長など運営体制を変えることができる管理職的な立場にいる人」に特におすすめです。
❽テレビ・ドクター4 よく分かる乳牛の病気100選
- 内容
- 酪農で代表的な100の病気についてたくさんの写真付きで解説した本
- それぞれの病気について、「原因、症状や特徴、酪農家ができる手当て、獣医師による治療」の項目に分けて解説している
- おすすめできる人
- 牛の病気事典のような本を持っておきたい人
- 牛の病気について文章中心の本だとわかりにくいと感じている人
- 子牛や乳牛と接する仕事をしている人
『テレビ・ドクター4 よく分かる乳牛の病気100選』は、酪農で代表的な100の病気について解説した本。
ポイントは写真が多いことです。
いざ目の前で体調が悪そうな牛を見つけた時、文章で調べて「この病気かな?」と考えるよりも、本書に豊富に掲載されている写真と照らし合わせた方がわかりやすいです。
目の前に体調が悪い牛がいると、どうしても焦ってしまう。このような経験をしている方は多いでしょう。
獣医さんを呼ぶにしてもすぐに来てもらえる時ばかりではないので、できるだけ早く病気を推測して、自分で対応してあげられることはしてあげたいですよね。
そういう時に本書があるととても便利です。
私が持っているのは一つ前のバージョンである『テレビ・ドクター3』ですが、今は本書『テレビ・ドクター4』が最新版のようです。
補足:本を購入する時のポイント5つ
①本当に欲しい時は早く買った方が良い
もし「この本が欲しい、買おう」というのが決まったなら、早目に購入することをおすすめします。
なぜなら酪農の本は数が少なく、Amazonや楽天といった大手ネット通販でも時々出品が無くなるからです。
例えば、今回紹介した本の中では
❺新しい酪農技術の基礎と実際(基礎編)
❻新しい酪農技術の基礎と実際(実技編)
❽テレビ・ドクター4 よく分かる乳牛の病気100選
の3冊は「買いたくても販売されていない」ということが時々あります。
1冊1冊の価格が高いため、買いにくいという気持ちはよくわかります。
ですから本当に欲しい、買おうと決めているのなら、必要な時に買えなくて困るよりは早めに買った方が良いでしょう。
早く本を買って読んだ方が、その分知識がついて仕事が楽しくなります。
また牛たちの体調を良くすることができた時には、きっと自信が持てるようになるはずです。
②Amazonで本を買うならプライム会員になっていた方がいい
今回取り上げたものを含め、Amazonで本を買うことがあるという人は、Amazon Primeの会員になることがおすすめです。
本を買おうと決めた時は、往々にしてすぐにでも読みたい気持ちになっています。
そんな時にプライム会員特典の送料無料や翌日配送などは、とても利便性が高い。
無料体験も試すことができるので、プライム会員でない方は検討してみてください。
③フリマアプリを使えば安く買える、かもしれない
酪農関係の本は、総じて値段が高いです。
新品で買おうとして、その値段の高さに驚いた人も多いでしょう。
そんな時に検討したいのが、メルカリなどのフリマアプリ。
メリット ▶ 新品で買うよりもかなり費用を抑えられることが多い
デメリット ▶ そもそも酪農関係の本は出品数が少ない
という特徴があります。
欲しい本がもし出品されていればラッキー、ぐらいの感覚でチェックしてみると良いですね
④田舎の本屋さんなら酪農関係の品揃えが良い
酪農を含めた農業関係の本の品揃えが良い通販サイトとして、田舎の本屋さんがあります。
欲しい酪農関係の本があっても、Amazonや楽天では扱っていないということがたまにあります。
個人的にはポイントがついたり送料が無料だったりする楽天などで本を買いたい派なのですが、そもそも取り扱いがないという時は田舎の本屋さんで探すことにしています。
⑤どうしてもお金をかけたくない時は図書館を探してみよう
酪農関係の本は、漫画を除いてどれも高い。
なかなか手が出ないという時は、地域の図書館で酪農の本を探してみましょう。
酪農の細かい解説書までおいている図書館はあまりないかもしれませんが、今回紹介した
➍家畜飼育の基礎
のような、「畜産や酪農の全体像を見るような本」であれば、案外置いてあったりします。
番外編:経営者や農場長などリーダー格の人へオーディオブックのすすめ
❼こうすれば農場はもっとうまく回る
の想定読者は、牧場の経営陣や幹部クラスの方になると思います。
私の経験でもそうでしたが、こうした方々ほど、
✓仕事が忙しく、牧場改善のための勉強をしたくても時間がない
✓牧場で働いてくれているみんなのモチベーションを高めたいけど、どうしたら良いかわからない
✓酪農ジャンルの本だけではなく、経営学の本やビジネス書も読んだ方がヒントが得られるのでは
という悩みがあると思います。
そこで私自身がそれらの悩みを解決し、牧場の就業ルールや雰囲気改善のためのヒントを得るきっかけとなったAmazonの”Audible”をご紹介します。
Audibleはオーディオブックという「本を朗読した音声」を聴き放題できるというサービスなのですが、これが多忙な酪農家と非常に相性が良い。
酪農作業はイヤホンで何かを聴きながらでも行えるもの(給餌、トラックの運転、牛床の掃除など)が多く、作業をしながらオーディオブックを聴くことで、大量の読書ができる=牧場改善のためのヒントがたくさん得られるのです。
私の経験則ですが、牧場運営においてしばらく考えても解決の糸口が見えない悩み事は、①本からヒントを得るか、②同業者に話を聞く、が有効なことが多いです
無料体験期間が通常30日間あるので、気になる方は是非試してみてください。
登録は簡単ですぐに本を聴くことができます。もし合わなくてもいつでも解約できますよ。
行き詰った時は酪農本とは違った本から解決のヒントを探しましょう。
私がAudibleで聴いた本の中で、牧場運営に特に有用だと感じたのは次の4冊。
- 『人を動かす』デール・カーネギー
- どうしたら牧場で働いているみんなが主体性を持って仕事に取り組んでくれるか
- 『道は開ける』デール・カーネギー
- 悩み事が多い中、弱音を吐ける場が少ない酪農家がいかに自分の内面と向き合うか
- 『新 コーチングが人を活かす』鈴木義幸
- 牧場で働いてくれているみんなが何を考えているか、どうやってそれを聞いたら良いか
- 『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』山口周
- 将来の見通しがわかりにくい中、酪農業は、この牧場はどこへ向かっていったら良いか
オーディオブックについては↓の記事に詳しく書いています。気になる方は是非読んでみてください。忙しくても、音声を聴くことはできる。酪農との相性抜群と感じるサービスです。
なお私がAudibleを聴きながら作業をする時は、↓のBluetoothヘッドセットを使っています。片耳なので機械の作動音や周囲の音もちゃんと聞こえますし、電話がかかってきてもそのままイヤホンで通話することができ、安価なのに非常に便利です。
まとめ
今回は、私がこれまでに実際に読んだ複数の本の中から、読む人別におすすめできる本を以下8つピックアップしてご紹介しました。
▼初心者向けのおすすめ酪農マンガ
❶銀の匙 Silver Spoon
❷百姓貴族
❸毎日、牛まみれ ★
▼入門や基礎知識を得るのにおすすめの酪農本
➍家畜飼育の基礎
▼教科書としておすすめの酪農本
❺新しい酪農技術の基礎と実際(基礎編) ★
❻新しい酪農技術の基礎と実際(実技編)
▼応用編
❼こうすれば農場はもっとうまく回る
❽テレビ・ドクター4 よく分かる乳牛の病気100選
酪農関係の本は色々とありますが、どんな時にどの本を読んだらよいかわからないという人も多いと思います。
私自身、その時々で読むべき本を探すのに苦労してきました
この記事が酪農の本を選ぶ時の助けに少しでもなれば、そして酪農業への理解が深まるちょっとしたきっかけになれば、一酪農家としてとてもうれしいです。
気になった本があればぜひ読んでみてください。無意識にでも「何かが引っかかったから」こそ気になったはずです。
あわせて読みたい関連記事
↓当ブログの酪農カテゴリーの記事を要約した「酪農まとめ記事」です。酪農にまつわる多彩なトピックを紹介しています
↓酪農・畜産の現場でよく生じる「悩み別」におすすめできる本を紹介しています。この記事で紹介した本とは違い、一般書籍を紹介しています
↓酪農業への転職についての記事です。未経験の人でもポイントを押さえれば、自分に合った牧場の探し方などがわかります
↓「人間関係に疲れたから農業・酪農業に転職する、はおすすめしない」という記事です
↓あまり語られることのない「酪農と恋愛・結婚」というテーマの記事です
↓酪農後継者に向けたメッセージをまとめた記事です
余談:酪農経験者が楽しめる社会派小説「震える牛」
最後の最後に完全な余談になってしまうのですが、
「酪農経験者かつ小説が好きな人」
におすすめしたい本があります。
相場英雄さんによるその名も『震える牛』という社会派小説。
主人公は刑事の男性で、「牛の○○病、食肉産業・小売産業の闇」といったテーマが描かれています。肉牛農家さんや獣医さんも登場します。
知識がある分、物語の舞台裏まで想像しながら楽しむことができるという「酪農経験者だからこそ」の楽しみを実感できるはず。
私は牧場作業をしながらオーディオブック(audiobook.jp)で聴きましたが、大変おもしろかったです。
よければご覧になってください。