投資歴と始めたきっかけ
私が株式投資を始めたのが2016年頃なので、2021年で投資歴は5年ほどになります。
酪農家が株式投資とは珍しいな
と思われる方もいらっしゃるでしょうね。実際、私が投資を始めたのは一般企業のサラリーマンとして働いていた時です。
ですが、始めに株入門的な本を読んで以降は勉強をしていませんでしたね。まともな株式投資の勉強を始めたのは2020年のコロナショック直前のことです。
株の名著を複数冊読み、投資ブログを読み漁ることで、ようやく投資初心者の域からは出られたと思います。
幸いなことに、これまでの株式投資のトータルリターンはプラスです。
多くの日本人が一緒なんじゃないかと思いますが、私は小さい頃から「投資はギャンブルだ」という言葉を見聞きして育ってきたため、初めて株式投資をする際は不安も大いにありました。
しかし今では、妙なことさえしなければ、余裕資金の一部は必ず投資に回した方が良いと感じるまでになっています。
投資を始めた具体的なきっかけ
私が投資を始めた具体的なきっかけは、
- 定期預金の金利があまりに低かったこと
- メディアで目にするメガバンクの業績に違和感を覚えたこと
です。
当時の定期預金金利は、金融機関のキャンペーン金利で年利0.2~0.4%でした。普通預金金利は目も当てられないほど低かったですね。
一方で、メガバンクが何千億円という利益を上げたという記事もしばしば目にしました。
預金者はほとんど預金の見返りが受けられないのに、銀行はものすごく儲かっていそうだ。そんな違和感が次第に強くなっていましたね。
そこで、定期預金以外で何か運用できないかと書店で株式投資の本を買ったのが、私が投資を始めるきっかけとなりました。
どこで口座を作ったか
初めて証券口座を開いたのは、ネット証券の「松井証券」でした。
書店で買った「初めての株式投資」といった感じの本を読んで、ネット証券の大手数社が①手数料が安く、②売買できる金融商品が多い、という理由で推奨されていました。
私はとにかく株の売買に手数料を払いたくないと考えていたので、
当時、1日10万円までの国内株式売買なら手数料無料であった松井証券を選びました。
また、松井証券はネット証券の老舗という文言も見たので、何か安心感のようなものもありましたね。
今では楽天証券をはじめ、多くのネット証券が同様かつさらに手数料無料の上限額が上がったサービスを提供しているようですが、当時は松井証券がとにかく少額売買なら安かったと記憶しています。
株の売買手数料といったリターンに関係のないコストはとにかく低く抑えたいですよね。
(ただし、その後iDeCoを始める際に口座開設した楽天証券が今はメイン口座です。)
ここからしばらく書いていくこと
私はこれまで、
- 日本高配当株投資
- 日本株のタイミング投資
- インデックス投資
- 米国高配当株投資
- 米国グロース株投資
といった投資をしてきました。
ここからは、
- なぜその投資手法を選んだのか
- 実際に結果はどうだったか
- 自分なりに何を学んだか
などを記していきます。
「株に興味があるけどちょっと怖いな、実際どうなのかな」という方にはご参考になる部分もあると思います。
投資遍歴①日本高配当株投資
時期
2016年頃(投資1年目)~
なぜ日本高配当株投資を選んだか
- 定期預金を上回る利回りが欲しかった
- キャピタルゲイン(値上がり益)をとりにいけるような銘柄を見つけられる自信がなかった
- 大企業の高配当株ならよほどのことがない限り損をすることはないと考えた
実際に買った銘柄(一例)
みずほFG、三菱東京UFJ銀行、日産自動車、スカパー、日本ハウスホールディングス、など
参考にした情報源
Yahooファイナンス(スマホアプリ)
結果
- 株価の変動で一時的に含み損を抱えることはあったが、高利回りの配当金を安定してもらえることが多く、長期で保有し続けることにより最終的に株価も回復するケースの方が多かった
- 一部の銘柄(日産や日本ハウスホールディングス)が購入後しばらくしてからネガティブなニュースで株価が大きく下落したり無配転落した
学んだこと
- 高配当銘柄には成熟した企業が多く、急成長やそれによる値上がり益を狙うことは難しい
- 高配当銘柄は、高配当のまま放置されるそれなりの理由を抱えていることが多い
- 安易に買うと減配や無配転落で思わぬ損失を被りかねず、決して楽で安全な投資手法ではない
- 相場全体の値下がりに押されて保有銘柄が含み損を抱えても、「配当金をもらえるからいいか」とネガティブにならずに保有し続けられる=狼狽売りなどにつながりにくい≒不況時でもメンタルにやさしい
コメント
当時、定期預金以外の運用を始めてみたかった私は、手っ取り早く不労所得が得られる高配当株に投資をしました。
Yahooファイナンスのアプリで、高配当ランキングを表示し、その中で過去の業績推移(売上や利益の推移)や配当金の支払い状況を見て、大きな問題はなさそうだと感じた銘柄に投資をしていきました。
実際に配当金を受け取った時はやはりうれしかったです。
自分で何か仕事をしたわけではないのに、数千円の収入があるわけですからね。
それも定期預金で同じ利息をもらおうと思うと10倍近い元本が必要になるのです。
その当時は、自分が生活している社会は資本主義であり、それがどういう構造なのかなどあまり考えたこともありませんでしたが、株主になり配当を得ることで、何かしら感じ取るものはありました。
ただ、高配当だからいいやと勢いで買った日産や日本ハウスホールディングスは、車の検査問題、ガバナンスの問題、業績不振、不正会計といった不祥事により株価が急落したり無配転落しました。
それらの株も、購入時点では過去の業績推移などそれほど問題ないように感じていましたが、そこに表れていない問題点(日産でいえば新車投入などが停滞しており将来の業績不振がマーケットでは予見されていた、等)を見落としていたことになります。
銀行株はマイナス金利政策により軒並み株価が下落し、高配当化していました。
なにはともあれ、「高配当株は高配当のままマーケットから放置されるだけの理由がある(ことが多い)」ということは痛烈に感じましたね。
一方で、購入後にチャイナショックなどで保有株が含み損を抱えても、高配当がもらえる=投資したお金がそれなりに働いているという実感が得られ、高配当株なら不況時でもわりとどっしりと構えて保有し続けられるということも私にとって重要な発見でした。
投資歴は浅いけど高配当株に投資をしたいという方、
- 上記のようなリスクもあり得る
- 候補銘柄の過去・現在・将来に問題はないか
という目線を持たれることをおすすめします。
投資遍歴②日本株のタイミング投資
時期
2017年頃(投資2年目)~
なぜタイミング投資をしたか
- 短期間でキャピタルゲインを得てみたかった
- 刺激が欲しかった
- テクニカル分析でキャピタルゲインを取れる自信はなかったが、ニュースで株価が大きく上下している銘柄ならうまくタイミングを計れるのではないかと考えた
実際に買った銘柄(一例)
東京電力、JVCケンウッド、ZOZO、コロプラ、など
参考にした情報源
ニュース
結果
- うまくいくケースとそうでないケースが体感的に半々
- うまくいったケース(JVCケンウッドやコロプラ)では数日で満足のいく利益が得られた
- 思い通りにいかなかったケース(東京電力やZOZO)では、購入後に含み損を抱え、しばらく塩漬け→株価が回復し含み益となるも「まだ上がるんじゃないか」と欲を出し保有→じわじわ株価が下がってきて何とか含み益の状態で売るも利益は僅か(購入してから数カ月~1年経過)
学んだこと
- キャピタルゲイン狙いの投資では、売り時の判断が難しい
- 無配株の塩漬けは、心情として「最悪=お金が働かずに死んでいるような気になる」
- 娯楽・趣味の投資(≠資産運用としての投資)としては面白い部分があるので、本当になくなっても良いお金(お小遣い)の範囲ならアリ
コメント
高配当株投資では安定して配当金がもらえるものの、利益の上限がある程度見えてしまうような感じがあり、もっと刺激が欲しい・キャピタルゲインを得てみたいとの思いから、ニュースで株価が大きく振れそうな銘柄に対してタイミングを計る投資をしていたことがあります。
米国株ブロガーとして有名なたぱぞうさんのよく使われる言葉でいうところの「うねり取り」です。
例えば、煽り運転が大きな社会問題となった東名高速での煽り運転事件が起きた際には、ドライブレコーダーを販売するJVCケンウッドを買いました。
私の認識では、当時、ドライブレコーダーはまだ普及し始めの段階でした。
しかし、事件のインパクトや、私自身が日頃から煽り運転に強いストレスを受けていたことを鑑み、「この事件を機にドライブレコーダーを車に取り付けようと考える人は多いんじゃないか」と考え、事件報道の数日後に株を購入しました。
すると、やや日を置いて、そうした期待から実際に買いの集まった同社の株価は上がり、利益を得ることができました。
元々はドライブレコーダーの販売伸長→業績拡大→株価上昇→利益確定、という数カ月間のシナリオをなんとなく想定していたわけですが、それとは違うかたちで早々に利益を確定することとなりました。
かたちはどうあれ、自分の予想が当たってキャピタルゲインが得られるというのはかなりの快感でした。
一方、創業者の前澤社長がメディアでしばしば取り上げられたことを機に買ったZOZOなどは、購入後しばらくして株価が下がり、含み損の状態でしばらく塩漬けとなりました。
早ければ数日、長くても1か月の内には利益確定できるだろうと目論んで買った株が塩漬けになるのはかなり辛いものがありました。
同様にして買った東京電力は無配株だったので、塩漬けとなった際は「投資に出したお金が働かずに死んでいる…」と感じるほどに悲しかったですね。
「保有株が含み損となった時、高配当株であればあまり負担に感じず保有し続けられる一方、キャピタルゲイン狙いで買った無配株や低配当株は精神的にかなりの負担を感じる」、というのは良い発見でした。
なお、今こうして振り返ると、「短期売買で利益を狙う=投機(ゼロサムゲーム)」と「長期保有で利益を狙う=投資(プラスサムゲーム)」との区別が自分の中でついておらず、あべこべのことをしていたなと感じます。
つまり、無自覚に投資のつもりが投機になっていたということです。
このことは投資初心者ほど陥りがちであると何かの記事で見ましたが、本当にそう思います。
自分の中で明確に区別して取り組んでいる場合には問題ないでしょうが、ごっちゃになってしまっている場合は今一度整理してみることをおすすめします。
投資遍歴③インデックス投資
時期
2020年頃(投資5年目)~
なぜインデックス投資をしたか
- 楽天カードで投信積み立てをすると5万円/月までならポイントがつくことを知った
- 投資関係の勉強をするうちにインデックス投資が資産運用の最適解とされていることを知った
- これまでのなんとなくの投資ではなく、将来を考えた資産形成を始めたかった
実際に買った銘柄(一例)
- 投資信託:eMAXISslimオールカントリー、eMAXISslim米国S&P500、eMAXISslim8資産均等型
- ETF:VT、VTI、MAXISオールカントリー、MAXIS米国S&P500
参考にした情報源
- 証券アナリストの受講テキスト
- 書籍(『敗者のゲーム』など)
- 米国ブロガーのブログ(主にたぱぞうさんのブログ)
結果
- 投資を継続できている
- 資産変動等に一喜一憂することがなく安心して積立・保有ができる
- 資産額は順調に増加中
学んだこと
- 長期の資産運用をするならコアとするべき投資手法
- 定額定期積立による仕組化により、長期投資が簡便にできる
- 精神面に優しい
- 退屈に感じことがある
コメント
インデックス投資は、楽天カードで投信を積立購入すると、毎月5万円分までなら1%の楽天ポイントが得られることを知り始めました。(当時)
定期預金の利率が0.2%前後の頃に、1%分の利回り的なものが確実に得られることに驚き、知ってすぐに積立設定をしました。
私はサラリーマン時代に証券アナリスト試験を受け合格した経歴があります。
その試験勉強の際、公式テキストで「過去の統計的に、インデックスファンドの方がアクティブファンドよりもリスクリターンのバランスに優れ良好な結果が出ている」というような一文を見ました。
その部分がやけに印象的であったためよく覚えていた(証券アナリスト=アクティブ投資家のイメージが強かったので、「アクティブ運用とは一体…」と感じていました)のですが、投信を買う際はこのことを思い出して、インデックスファンドに積立をすることにしました。
始めてみると、最初の積立設定後は特にすることもなく、非常に簡単にインデックス投資が継続できています。
その後、株の名著の一つとされる『敗者のゲーム』を読んだことなどから、さらにインデックス投資への信頼度が自分の中で上がり、資産額の変動に一喜一憂することはありませんでした。
長期の資産形成を目指すなら、やはりインデックス投資はコアにすべきだと思いますね。
資産額は概ね順調に増加しており、今後も波はあれど次第に増加していくものと考えています。
これまでインデックス投資の良いところについて書いてきましたが、弱点も1点だけ感じます。
「退屈に感じることがある」のです。
これはインデックス投資の弱点というよりは、投資家個人(私自身)の弱点と言えるかもしれませんが。
どうしても、もっと派手にキャピタルゲインを得たい、自分の興味関心の強い個別株を買ってみたいと思ってしまうことがあるんですね。
こういう部分は、サテライトとして少額の投資をすることにしています。
コアとしては最適解と信じるインデックス投資をし、サテライトの部分でおそらくリスクリターンに優れないアクティブ投資をして自分の欲を満足させるという感じです。
こうすることで、大筋では間違った方向を向かずに資産形成が続けられるのではないかと考えています。
投資遍歴④米国高配当株投資
時期
2020年頃(投資5年目)~
なぜ米国高配当株投資をしたか
- 米国株ブロガーで有名なバフェット太郎さんのインタビュー記事を読んで魅力を感じた
- 経済成長の続く米国の株なら資産形成に向くと考えた
- その後、同じく主に投資系のブロガーである三菱サラリーマン(穂高唯希)さんのインタビュー記事を読んで感銘を受け、さらに投資熱が入った
実際に買った銘柄(一例)
- 個別株:ABBV,AMGN,BTI,MMM,PG,VZなど
- ETF:VYM,SPYD
参考にしたもの
- 書籍(『本気でFIREを目指す人のための資産形成入門』など、主に投資系ブロガーの著書)
- ブログ(主にバフェット太郎さん、三菱サラリーマンさん、たぱぞうさんのブログ)
- 情報サイト(モトリーフールなど)
結果
- 相場の上げ下げに関係なく継続して投資し続けられている
- 毎月の受取配当金が少しづつ増加中
- 王道のインデックス投資(S&P500など)への積立投資と比べてパフォーマンスは低い模様
学んだこと
- 米国株なら長年にわたる連続増配株が多数あり、ある程度銘柄を信じて投資を続けられる
- 相場が上がっても下がっても淡々と投資を続けられる
- 相場が上がると保有銘柄の評価額が上がりうれしく、相場が下がると安く株が買えてうれしい=相場の変動にある程度動じずにいられる
コメント
米国株投資は、楽天証券のインタビュー記事で、米国株ブロガーであるバフェット太郎さんが取り上げられていたものを読んだことがきっかけで始めました。
それまで株を買う=日本株を買うという発想しかもっていなかった私です。が、そのインタビュー記事でいかに米国株が優れているかという説明にかなり納得してしまい、すぐに買い方を調べて楽天証券で買うようになりました。
前回の記事で、投資のコアはインデックス投資にすべきだと書きましたが、私はどうかというと、この米国株高配当投資がコア投資となっています。
一度はVTIメインのインデックス投資を主軸にした時期もあるのですが、その後、「投資の目的」が変わったということです。
それまでは漠然と、「変なリスクを取らずに資産額を増やしていくこと」が投資の目的でした。
しかし、日本におけるFIREの第一人者と評される三菱サラリーマンさんのインタビュー記事に相当強い影響を受け、投資の目的が「経済的自立を達成する=年間受取配当金>年間生活費」へと変わったのです。
この目的を達成するには、インデックス投資という手段よりも、米国高配当株投資という手段がより適している。そう考えました。
おそらく今の私の投資方針では、インデックス投資に比べてトータルリターンは劣後しますが、それは覚悟のうえです。
投資遍歴⑤米国グロース株投資
時期
2020年頃(投資5年目)~
なぜ米国グロース株投資をしたか
- インデックス投資で退屈に感じてしまう部分があった=刺激が欲しかった
- 近年の米国株の成長は、グロース株が牽引していることを知った
- 高配当株を投資のメインとするも、キャピタルゲインをかなり放棄するようでもったいない気がした
実際に買った銘柄(一例)
- 個別株:AAPL、AMZN、BYND、GOOGL、MSFT、SQ、TDOC、TSLA
- ETF:MAXISナスダック100(東証2631)
参考にした情報源
- 情報サイト(モトリーフールなど)
- ブログ(主にたぱぞうさん)
結果
- 一部銘柄は50%超の含み益
- 一部銘柄は30%超の含み損
- MAXISナスダック100はこれまでのところ安定して右肩上がり
学んだこと
- グロース株は値動きが大きく、評価額もプラスになったりマイナスになったりする
- 無配のグロース株の含み損が続く状態は精神的につらい(BYND)
- サテライト投資として少額を投じる分には、刺激が欲しい気持ちも満たせるし、米国の先端技術等にも興味が沸くので良い
- グロース株である程度安定して利益を狙っていきたいならナスダック100に連動するETF(QQQや東証2631)が扱いやすそう
コメント
大方上記のとおりです。
やはりグロース株は辺りも外れも大きいというところでしょうか。
高配当株と違うのは、大きな含み益が出ていても利益確定するまではそれはやはり未確定なものであると感じる点、無配株の含み損はやはり辛いという点です。
人それぞれの好みでしょうが、自分の場合は、小遣いの範囲など最悪無くなっても良い範囲でのみグロース株に取り組むのが丁度よいみたいです。