【感想メモ】『#シンFIRE論』は方法論よりも「人生論」に重点

#シンFIRE論を読んだ感想 株式投資
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日本におけるFIREの第一人者として広く認知されている穂高唯希さんの2冊目の著書、『#シンFIRE論』を読んだので、その感想等を記していきます。

私自身は1冊目の著書も読み、同氏の日々のブログ更新を楽しみにしている読者の一人でもあります。

先に読んだ感想の要点をまとめておくと

  • 「FIREの方法論」ではなく「著者の人生哲学」を中心に書かれた本
  • 一貫したテーマは「主体性」
  • FIREに向けた投資手法や金融商品を知りたいという人にはおすすめしにくい
  • おすすめできるのは
    • 著者のブログやXでの発信内容に共感する人
    • 「若くして何事かを為した人」の考え方について知りたい人
    • 「主体性」に課題を感じている人
  • 個人的には紙の本を買って置いておくよりも、「エッセイ本」としてオーディオブックで聴くぐらいがちょうど良い

です。

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私が『#シンFIRE論』を読んだ理由3つ

今回私が本書を読んだ理由は次の3点からでした。

  • 著者は私がFIREを目指すきっかけとなった人物
  • 1冊目の著書は熱量があって好きだった
  • Audibleの聴き放題対象だった

①著者は私がFIREを目指すきっかけとなった人物

著者である穂高唯希さんは、私がFIREという概念を知り、それを目指すきっかけとなった人物。

私が仕事や人生に対して強い諦念を抱いていた2021年のことです。

数か月先、数年先、数十年先、いずれにおいても希望を感じられなくなっていた当時、配当金を生活の後ろ盾にして「自由に生きる」というFIREの在り方は、自分には強烈でした。

そのFIREという1つのライフスタイルを、ブログや書籍にて発信していた著者の生き方には強い共感を覚えたものです。

以後毎日のブログ更新を楽しみにしている読者の一人ともなった私ですから、著者の2作目ということもあり「いつか読んでみたい」と考えていました。

②1冊目の著書は熱量があって好きだった

著者の1作目である『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門』が好きな本だったのも、『#シンFIRE論』を読もうと思った理由の一つです。

1作目は投資手法や支出の抑え方など「FIREの方法論」について重点的に書かれつつも、要所要所に著者の熱のこもった主張がありました。

若さがやや前面に出ていた感もありましたが、当たり障りのない本を読むよりは共感もできて良かったです。

その後のブログや発信内容の変化から、若さから成熟に向かいつつあるような印象を受けていたため、どのような内容の2作目になっているのか興味がありました。

③Audibleの聴き放題対象だった

本作がAmazonのオーディオブックサービスであるAudibleの聴き放題対象作品となったことで、いよいよ本書を読むことができました。

紙の本だと

  • 購入するための手間や出費が必要
  • 読むのに時間がかかる
  • 疲れていると集中力がもたない

ということで二の足を踏んでいました。

しかしもともと私が重宝しているAudibleであれば、イヤホンで聴いているだけで気軽に読書できます。

一時退会していたAudibleでしたが、退会者向けのセールスか「2ヶ月間99円」キャンペーンの案内が届いていたため、すぐに申込み、真っ先に本書を聴いたという次第です。

結果的に1日で全文を聴き終えることができ、内容も分かりやすかったためオーディオブックで聴けて心底良かったと感じています。

感想:FIREの方法論よりも「著者の人生観」に主眼

さて本書を読んだ具体的な感想です。

次の6点について順にふれていきます。

  • 投資本というよりも「生き方や人生観」を説くエッセイ本
  • 友人や職場にいる「突出した人」の人生哲学をじっくり教えてもらう感じ
  • 全体を深く学ぶよりは参考になる部分をスポットで取り入れる
  • ブログやXでの発信内容が体系的にまとめられ、深掘りされている本
  • オーディオブックで聴くのが自分にはちょうど良かった
  • 直近読んだ『自由からの逃走』の主旨と共通する部分も

投資本というよりも「生き方や人生観」を説くエッセイ本

1作目がFIREの方法論を中心とした「投資本」であったのに対し、本書は著者の生き方や人生観を中心に書かれた「エッセイ本」だと感じました。

たしかにVYMなど金融商品や投資手法について書かれている部分もありますが、それはあくまで本書の一部です。

大部分は具体例を交えながら展開されている穂高さんの「人生経験や人生観」といえると思います。

その核となっているのが、同氏の発信内容で通底している「主体性をもって生きよう」というメッセージ。

主体性というとイメージが湧きにくいかもしれませんが、「自分で考えて自分で選択する」ということですね。

こうした内容で構成されているため、投資本として読むのではなく「エッセイ本」として読むのが本書への臨み方として良いと思います。

友人や職場にいる「突出した人」の人生哲学をじっくり教えてもらう感じ

あまり身構えて読むよりは、友人や職場の同僚として稀にいる「突出した人」から、その人の人生哲学をじっくり教えてもらうというイメージで読むのが良さそうです。

FIREというのは世間一般でいえばかなり特殊な生き方であり、それを実現する道程も決して生易しいものではありません。

そのようなFIREを実現した1人ですから、日頃見聞きしやすい思考や価値観とは異なったものを著者は持っています。

そうした「何か突出した人」は友人や職場にもたまにいると思いますが、彼らから広く深く人生哲学を聞くような感じ。

このようなイメージで読める本だと思います。

全体を深く学ぶよりは参考になる部分をスポットで取り入れる

人生論が貫かれた本のため、全てを学んで自分に取り入れるというよりは、「参考にできそうな部分」をスポットで自身に取り入れていく感じの読み方が合っていそうです。

全部を真似ようとすることは、著者に限りなく近づこうとすることとほぼ同じだと思います。

しかし能力や背景、目指す方向は人によって様々ですから、「この考え方や、行動習慣は良いな」と思えるものをメモするなりして自身の生活に取り入れていくぐらいが良いでしょう。

私でいえば本書のあとがき部分にあった

  • 先人たちの苦労があってこそ今の私たちがある
  • 感謝をもって周囲や社会に貢献しよう

という部分には深く共感したため、それを「体現するための行動は何か」を具体的に考えていくつもりです。

ブログやXでの発信内容が体系的にまとめられ、深掘りされている本

本書で書かれている内容は、著者のブログやXで発信されているものが

  • 体系的にまとめられ
  • かつ深掘りされている

という印象です。

日頃からブログを読んでいる人であれば、「大枠は知っていたけど、細部は本書で初めて知った」という感じになると思います。

オーディオブックで聴くのが自分にはちょうど良かった

上述のとおり私は本書をAudibleで聴きましたが、ちょうど良かったです。

内容が難しくて引っかかるという部分はほぼないため、文字を目で追って読むのに疲れてしまうより、オーディオブックでざーっと聴いた方がストレスなく読了できます。

直近読んだ『自由からの逃走』の主旨と共通する部分も

本書を読む直前まで読んでいた社会心理学の名著『自由からの逃走』の主旨と、本書における主張とで共通する部分があったように思います。

簡単にまとめてしまえば

中世の社会に比べれば「はるかに自由な現代」を幸福に生きるためには、「主体的な生き方」がカギになる

ということです。

第二次大戦中に刊行された名著で指摘されているのと同じことを、現代の自由な生き方の最たる例である「FIREの実現者」が重要なこととして指摘しているのは、なかなか興味深く感じられました。

まとめ:「主体性」について課題意識があるなら一読を

以上この記事では、日本におけるFIREの第一人者とされる穂高唯希さんの2作目『#シンFIRE論』について、

  • 私が読んだ理由
  • 感想

を書いてきました。

あらためて感想のポイントをまとめると次のとおりです。

  • 「FIREの方法論」ではなく「著者の人生哲学」を中心に書かれた本
  • 一貫したテーマは「主体性」
  • FIREに向けた投資手法や金融商品を知りたいという人にはおすすめしにくい
  • おすすめできるのは
    • 著者のブログやXでの発信内容に共感する人
    • 「若くして何事かを為した人」の考え方について知りたい人
    • 「主体性」に課題を感じている人
  • 個人的には紙の本を買って置いておくよりも、「エッセイ本」としてオーディオブックで聴くぐらいがちょうど良い

本書の主要テーマである「主体的に生きること」について、課題意識や苦手意識がある人であれば一読の価値があります。

私のようにAudibleの会員であればすぐに聴き放題で全文を読めますが、Audibleを使ったことがないという人でも無料体験(通常30日間)を利用すれば0円で本書を読むこともできます。

支出を抑えたい人や、文字を読むと疲れてしまってなかなか最後まで本を読めない人は、試してみると良いと思います。

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