【酪農】経営環境の厳しさが増してきている(インフレ)

酪農

酪農業界の経営環境が厳しさを増してきています。主な原因は飼料費の高騰です。

一部の牧場においてこのままだと存続が危ぶまれるという声が昨年頃から聞こえてくるようになりました。そして、私の地域においても最近廃業を決めた牧場が出てしまいました。

コロナ禍以降、様々な業界が苦境に立たされていることが伝わってきます。酪農業やそれを含む畜産業においてもそれは同様で、強い向かい風が吹き始めていることについて今回は軽く触れてみます。

酪農経営における飼料費の割合は大変に高い

酪農を含めた畜産業において、飼料費は基本的に最大の費用項目になります。家畜の種類によって差はあるものの、

概ね総費用の40~60%はエサ代が占める

と言われています。

その飼料の価格というのが近年右肩上がりで推移しています。

そして、ここ最近の水準というのはいよいよ畜産農家の存続が騒がれるほどのものです。

以下は家畜に与えるエサの重要な部分を占める配合飼料の価格動向です。

H17年度(約16年前)あたりから見て、R3年度というのは1.5倍以上の価格推移となっています。私たちの買う日用品が今よりも50%値上がりしたとしたらどうでしょう。ランチの相場が1000円だったとこが1500円が主流になったとしたら、それが毎日・3食全てそうだとしたら。感覚的に大変厳しいことは想像できませんか。

出典:一般社団法人中央酪農会議HPより

そして、実際のところ酪農経営をしていて感じる値上がりはエサ代に限らないんですね。様々な機械の部品やちょっとした消耗品まで、本当に多くのものの購入価格が上がってきています。株式投資の面でインフレという言葉はしばしば目にしてきましたが、いよいよ酪農業という実生活においてもインフレを実感することとなっています。

畜産業界全体が苦境に立たされる可能性

酪農業の経営環境が厳しくなっているのはもちろんですが、畜産業界全体が同様の課題を抱えています。

畜産業とはかなり大雑把な言い方をすれば、農業の中の牛・豚・鶏に関する経営のことですね。実際には養蜂業なども含みもっと広い範囲を包括するようですが。

牛・豚・鶏系の畜産業は、いずれも配合飼料をふんだんに使います。だからこそ、この飼料費の高騰というのは非常に痛いというか、場合によっては致命傷となります。

最近私が驚きをもって受け止めたニュースがあります。鶏卵最大手のイセ食品が経営破綻したというものです。国内シェアの10%を占めるという超大型の養鶏業者です。業種が違う私でもその企業名は以前から知っていました。

記事を見るところでは、M&A絡みの過大債務や、飼料費等の生産コスト増により破綻に至ったとのことですね。詳細を知りたい方はネット検索ですぐ見つけられると思います。

私の中では、畜産業の大型法人経営体は盤石な経営・運営体制を執っているイメージがありました。従業員の採用に関しても人材を選べたり、飼料等の仕入れにおいても規模の経済を働かせられるなど、随所でアドバンテージを発揮できるであろうと。だからこそ、今回のニュースは衝撃的でしたね。

畜産業界全体に逆風が吹いていることの象徴的な出来事であるように感じています。

配合飼料を食べる牛。ここに含まれる穀類の多くは海外に依存しています。

先行き不透明な状況はしばらく続きそう

先行きが楽観視できそうな材料というのはほぼない状況です。為替についても最近はかなり円安に振れています。円安が進むと海外依存度の高い飼料費というのはますます上昇する傾向にあります。

私個人の資産状況でいえば、米国株がドル建て資産に該当するため円安になっても全面的に困るということは決してないです。それでも生活の中心を占める仕事=酪農業が苦境に陥るということの方がやはり私にとって重大です。

正直なところ、今の経営環境が続くと経営体力の弱っている畜産農家の廃業が出始めていくだろうと感じています。

私自身はまだ悲観的になってはいません。それでも予断を許さない状況が続いていくのだろうという予感は持っています。

↓酪農業に転職された方が描いたマンガの単行本です。酪農の日常が分かりやすく、リアルに描かれています。酪農ってどんな感じなんだろうというイメージはかなり具体的に持てるようになります。私は就農後に読みましたが、共感できること、酪農あるあるがたくさんで面白かったですね。

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