【暮らし】『日本一社員がしあわせな会社のヘンな”きまり”(未来工業㈱創業者 山田昭男)』を読んだ感想・レビュー

暮らし

図書館で借りた本です。

著者は、岐阜に本社を置く超ホワイト企業として名高い「未来工業㈱」の創業者である山田昭男氏です。

高利益率かつホワイトな経営を作り上げた同氏の哲学やその手法が紹介されています。

一般的なビジネス書よりも、より道理や人情に依っている印象です。

経営者の方や、自分の会社の体制・働き方に疑問を感じている方であれば、色々と感じられる部分があろうかと思います。

大まかな内容

大まかな内容としては、

  • 他社との差別化の推進
  • 社内提案制度
  • 報連相を禁止し、現場に一任するスタイルの意図
  • 社長の在り方
  • 失敗に対する考え方
  • 給料、休日数、労働時間、残業、雇用形態をホワイトにする理由
  • 徹底したコスト削減
  • 会社負担の海外旅行など大胆な福利厚生
  • 営業の考え方
  • 中小企業でも大企業に勝てる理由

といったような内容です。

中小企業経営の広範な部分を押さえています。一般的な企業経営とは真逆の考え方をとっていることが多いです。読んでいて新鮮に感じることも多いでしょう。

私の中で印象に残った部分・覚えておきたいと感じた部分

私の中で印象に残った部分や覚えておきたいと感じた点は、

  1. 社員との関係構築のために、わざわざ不自然なコミュニケーションをとる必要はない
  2. 徹底した残業の禁止が、社員の人生や人件費(割増賃金)といった各観点から合理的であること
  3. 良さそうと思ったことは迷わず試し、ダメならパッと止める姿勢
  4. 日本中で規格が統一されているような製品でも、色を変えるだけで差別化できたといった事例

です。

特に3点目ですね。

「良さそうな施策をやってみてダメだったらすぐに止める、その決心があればこそ始められる。これをはじめから怖がってしまうのが中小企業の悪いところだ」という趣旨の記述があります。私自身がまさにこの悪いところを強く持ってしまう傾向があります。だからこそ、この内容は私にはかなり響きましたね。

一度始めた施策をすぐに止めてしまったら、状況をかき乱してしまうような、一貫性がないような、そんな印象を生んでしまいそうだと二の足を踏んでしまうことが多かったのです。しかし、そんなことは気にする必要もないのだなと本書を読むことで納得することができました。

感想・レビュー

本書を読んだきっかけですが、以前記事にした『売上を、減らそう。』という本と同様です。『お金の大学』という本で有名な「リベ大」のサイトにて推薦図書として挙がっているのを見つけたことです。

牧場経営についてここ何年も悩んでいるので、仕事に対するモチベーションが決して高くない昨今の私でも、なんとなく手が伸びてしまいました。

実際、こちらも読んで良かったです。本書を読んだことで私自身の行動が一部変わりました。

私の牧場で、1年ほど前に従業員向けにある制度を導入しました。導入時は良い方向に機能しましたが、月日が経つにつれ機能不全に陥っていきました。1年経つ頃には明らかにその制度があることが却って牧場にとって良くない状態となりました。しかし私自身が制度を提案し、導入した手前、なかなか止めようと言い出すことができなかったんですね。先述のように、一貫性がないような、牧場の体制をごちゃごちゃといじっているような、そんな感覚を抱いてしまっていました。

そうした中で本書を読みました。「ダメならパッと止める決心があれば、始められる」という内容に背中を押されました。読了後、わりとすぐにその制度は撤廃しました。その結果、牧場の雰囲気に落ち着きが戻りました。その制度がなくなることに抵抗感を持つ従業員もいましたが、私を含めた多くの人員がストレスを感じ始めていたのでやはりやめて良かったと思っています。

この内容は、仕事に限らず、趣味でも恋愛でも、何にでも当てはまることなのでしょうね。初めの一歩を少し軽くさせてくれます。

本書のように、読了後に自分の価値判断軸や行動が変わるようなものは良いですね。読んで良かったと思える本の特徴です。

本書の内容は大変読みやすく、共感を抱く部分も多いことでしょう。一方で、私自身は未来工業がこのような体制を築けたのは、この著者の属人性に強く依拠している面もあると思っています。本書内ではそうした指摘を徹底的に否定していますが。

10年以上前の本ですが、働き方や人生観が問われ始めている現在でも全く色褪せない内容だと思います。むしろ今だからこそより読まれる価値が増している気もします。

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