FIRE後の気が向いた時に作成する雑記記事です。
この雑記ブログのテーマである
- 酪農
- 株式投資
- 日本酒
に関する近況や、FIRE生活について思うことをつらつらと書いていきます。
酪農
牧場退職から日が経ち、いよいよ現場感覚がなくなってきています。
- 飼料相場
- 枝肉相場
- 乳価
- 為替
等々の統計を見れば、おおよその景況感をつかむことはできます。
ですが、現場の人同士でのよく話に出るような
「最近はあの種雄牛の種がいいよね」
「あそこの牧場、いよいよロボット搾乳始めるみたいだね」
といった類のテーマについては、さっぱりです。
唯一、大変だろうなと推測するのは「円安」でしょうか。飼料はもちろん、大型の機械なんかでも海外産のモノは多いですから、負担増が気になるところです。
実際に飼料価格等が円安で上がっているかどうかは別として、「円安傾向が続くことに起因する今後への不安」が経営の重しになると思います。特に自分と同世代の酪農経営者や、酪農後継者なんかは精神的負荷が大きそうです。
酪農後継者の苦しさについて
少し前に、知り合いの酪農後継者とお話をする機会がありました。
そこで印象的だったのは、自分が牧場時代に苦しんだことと、全く同じ苦しみをその人も今まさに感じているということ。
つまるところ「孤独感」と「無力感」です。
孤独感は、酪農後継者という立場からくるもの。同じ牧場に同じ立場の人は自分以外にいません。経営者に近いところにいながら経営への参与は遠く、他の従業員と同じ立場かといえばやはりかなりの差がある。経営者からは「お前はまだこの牧場のトップじゃないんだから、従業員の一人としてまずは励め」といわれ、従業員からは「○○さんは今は従業員だけど、どうせこの先経営者になるんでしょ」という目で見られ。何かに悩んだり、苦しんだりした時に、気軽に弱音を吐ける場面がないんですね。見ている時間軸も違います。現経営者は3~10年先ぐらいのスパン、酪農後継者は10~30年先ぐらいのスパン、従業員は明日~5年先ぐらいのスパン。目線の先がそれぐらい違っていたりします。自分もそうでしたし、その人もそう話していました。孤独感も1年2年ぐらいの期間なら我慢できますが、数年経ち、十年も超えてくるとなると、いよいよ切実に苦しくなります。
続いて無力感というのは、自分でその苦しさの解消に向けてできることがほぼないということ。思考は「”自分が経営者になった時の数十年先”を見据えながらの今」のため、長期的視野に立って今のうちにやっておきたいことが色々と出てきます。ですが先ほど書いた通り、立場によって見ている〇年後に差があるため、なかなか周囲からの理解は得られません。また経営者でもないため、自己責任で何かを決断して打って出る、ということもできません。「ありたい自分や牧場の姿」と「現実」に大きな差があることを認識しながらも、そこにアプローチできる手段がない。もしくはないという思考に無意識のうちになってしまう。従業員の立場であれば、いざという時は見切りをつけてその牧場を離れるという手もとりやすいです。しかし酪農後継者となると、背負っている(と思っている)ものや覚悟が大きく、そうそう退職という手段は選べません。結果的に、自身の無力感にさいなまれるということです。
この話をその人としていて、自分から何か妙案を出すことはできませんでした。自分自身が苦しんだ同じテーマでありながら、抜本的な対策が思いつかない。そのぐらい簡単ではない問題なのだということを、再認識した出来事でした。
酪農に限らず、中小企業の後継者であれば程度の差はあれ、よくある問題なのだとは思います。ですが、私は「酪農後継者として」の過去が自分にとって大きかったですから、やはり今いる酪農後継者の人々にはなんとか踏ん張ってほしい。でも何か自分の人生観なり家族関係なり、そういったものが毀損してしまうまでの無理はしないでほしい。そんな思いでいます。
自分は家畜が好きなのかもしれない
先ほどの酪農後継者についてのテーマからすると拍子抜けするような話ですが、自分は家畜が好きなのかもしれないということを、FIRE後の生活の中で感じています。
どんな場面でそう思うかというと、
- 酪農や畜産にフォーカスしたニュース、テレビ番組を目にした時
- 観光牧場で羊や馬に触れあった時
です。
経営という立場や目線から離れて、牛や羊といった動物を見た時に、どこかで「やはりこういう動物はいいな」と思っている自分がいます。
FIREをして身軽になった自分が、家畜と対面してそう感じることで、「自分は家畜が好きなのかもしれない」という自己認識をあらためてしているという感じです。
現実的にそうするかというと可能性はほぼゼロですが、「牛を大事にしている”思いのある”牧場でアルバイトをするのもいいかもな」なんてことがふと頭に浮かぶこともあります。
株式投資
投資ではあまり大きな変化はありません。
変わらずポートフォリオの中心は
- 日本の高配当株
- 米国の高配当株+VYM
です。
日本株については、5月の決算発表シーズンで増配となった銘柄がいくつかあり、FIRE生活における収入目途が少し増えました。とはいえインフレで物価も随分と上がっているため、増配の恩恵は必ずしも大きくないというのが実感です。
一方で米国株については為替が円安に動いているため、円転による受取配当の増加という傾向が続いています。為替リスクが良い方に作用している状態ですね。
ただし当然悪い方にも作用する可能性があります。円高が来た時に困らないよう、収支シミュレーションでは為替は保守的に見積もっています。
またFIRE後しばらくは、時間があるために不必要に相場をまめにチェックしていました。それも最近では、意識して減らすことができるようになっています。
株価チェックを頻繁にしたところで、時間を無駄にするばかりで、得られる成果はほぼありません。投資パフォーマンスも、大きく相場が動いた時にしぼって売買する方が、かえって良かったりすると思います。
株価チェックをしなくなってできた時間で、図書館で借りた本を読むことが増えました。今は和辻哲郎の『風土』を読んでいます。やはりこうした時間の使い方の方が、一日を終えた時の満足感は高いですね。
日本酒
日本酒も飲み方は大きく変わっていません。
- 本当に日本酒が飲みたい時
- 会食時
主にこの2場面で口にする程度です。これぐらいの嗜み方が健康的にも、経済的にも良い気がしています。
FIRE生活に入ったことで所得が大きく減ったため、ふるさと納税がほぼ使えなくなりました。これまでかなりの日本酒をふるさと納税を通じてもらっていたため、大きな痛手ではあります。
自宅で飲みたいと思った時は
- 近所の品揃えの良い酒屋さん
- Amazon
のどちらかで買う、という感じになっています。
最近よく飲んでいるのは、鳳凰美田や楽器正宗なんかですね。以前から好きな、甘口でフルーティーな銘柄中心です。
FIRE生活
自由な一日とルーティン
FIRE生活が始まってしばらくは「何の予定もない1日」を毎日繰り返していました。自由そのものです。
しかし最近は、生活の中にルーティンを意識して組み込み始めています。
具体的には、毎週
- 日曜日は図書館へ行く
- 月曜日はタリーズに行く
- 火曜日は…
という具合に、曜日ごとに何をするか仮決めしています。
なぜかというと、「毎日何をするか、その場で考えるのは思っていた以上に疲れるから」です。
ビジネス本なんかでも
- 何かを判断するにはかなりのエネルギーを消耗する
- 服や靴下を同じデザインのものしか着ないと決めることで、決断疲れを防ぐ
- 脳のリソースが云々…
といったことが書かれていることがありますよね。その類の話です。
「毎日朝起きたらしたいことをする。それこそがFIRE生活の醍醐味」FIRE前はこう考えていました。しかし、現実に毎日をそのように過ごしていると、「今日は一体何をしよう」と考えること自体に負担を感じることもあります。
それよりは予定を仮決めしておき、別途やりたいことや予定がある日はそれをやる、という塩梅が今はちょうどいいです。
自由かつ自己責任の生活ですから、自分なりに時間をかけて、心地よい生活スタイルを身につけていければと考えています。
やりたいことを後回しにしない
やりたいなとぼんやり考えていたことはある程度実行に移すよう努めています。
- 飛行機に乗らないと会いに行けない友人に会う
- 一人旅に行く
- 昔から関心があった本を読む
といったことです。
時間はあるんだから、いつでもやれる。最初こそそう思っていましたが、その思考が逆に足枷になっていました。
もともと腰の重い性格のため、ややもすると出不精の生活が続いてしまうのです。
そこで効いたのが『DIE WITH ZERO』です。
興味本位で読んでみたら、「思い出の複利」という概念が妙に響きました。
それ以降はやりたいことをできるだけやるようにと、努めて意識しています。そうしないとなかなか行動しないからです。
以前はやりたいと考えたこと10個のうち2個ぐらいを実行に移す、という感じでした。最近では10個あれば6個ぐらいは実行するようになったと思います。
ファットFIREではないため、資金繰りは気にしつつですが、これからも「行動に移す」ということはFIRE生活の中で心がけていきたいです。