池上彰さんの『世界の宗教のことが3時間で学べる』を読んだので、その感想など書いていきます。
- イスラム教、キリスト教、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教、神道の概要やそれらに絡む世界の紛争の状況について知ることができる
- ニュースで世界の紛争を目にした時、その背景を推察できるようになる
本書を読んだきっかけ
読んだ動機は、
- 酒屋さんで私の趣味の一つである「日本酒」と神道の関係性の深さを知り、神道についてもっと知りたかった
- 哲学や宗教の考え方や世界観に関心があった
- 最近このブログでよく触れている歴史系Podcast番組「COTEN RADIO」がきっかけで、歴史に興味を持っていた
です。
世界の宗教を概説する本は数多ありますが、たいていその解説対象は「キリスト教、イスラム教、仏教」という3大宗教。それらに加えて神道まで解説している本は、なかなか見つかりません。
なので、3大宗教以外にも神道を含めたより多くの宗教を紹介している本書は、私のように世界の宗教を「広く浅く」知りたい場合には好適だろうということで選んでみました。
本書の大まかな内容:6つの宗教と今の社会情勢
本書の大まかな内容として、
- 現代の宗教絡みの世界情勢(IS、ロヒンギャ、靖国神社、創価学会、等)の要点
- イスラム教
- キリスト教
- ユダヤ教
- 仏教
- ヒンドゥー教
- 神道
を扱っています。
起源や特徴など各宗教の大枠を押さえた上で、現代の宗教にまつわる紛争など世界情勢に焦点が当てられています。
さすが池上彰さんといったところで、内容はとても分かりやすく読みやすい。
たしかに3時間程で読了できました。
感想・レビュー
良くも悪くも広く浅い
各宗教の深いところまでは立ち入っていません。
起源や特徴的なトピックをつまみ食い的に押さえていくような感じです。
世界の宗教の大枠を知りたいという場合にはちょうど良い。一方で、各宗教の中身についてもう少し踏み込んで学びたいという場合には物足りないでしょう。
「世界の宗教を広く浅く知りたい」という動機で読んだ私ですが、正直物足りなさを感じてしまいました。
印象的だった部分
ユダヤ教がアメリカで大きな影響力を有している理由や、ヒンドゥー教徒は必ずしも牛肉を食べないわけではないという内容などは興味深かったです。
神道についても概論を押さえることができました。この点は、本書を選んだ理由の一つでもあったので満足です。
読む動機の重要さ
私は学生の頃から哲学や宗教の教義について興味を持っていました。
宗教に関しては信仰を持ちたいとか何かに入信したいということではありません。単純になぜ多くの人の心を惹きつけるのか、その要素や背景を知ってみたいという興味からです。
以前から、こうした宗教を概観するような本は読んだことがありました。しかし内容はあまり頭に残らない。最近になってその理由が分かるようになりました。
以前は宗教や哲学の思想について学ぶ動機が、
「教養として知っておいた方が良い」
「社会人として知っておくべきだ」
というある種のべき論でした。そうした姿勢で読んだことが良くなかったようです。
今回はそうしたべき論ではなく、純粋に宗教、特に神道についてもっと知りたいという動機。やはり理解の度合いや納得度が違いました。
読書の動機が何であるか、それだけでこうも読後感が変わるのかと自分でも驚きです。
歴史の系譜そのものよりも現代の世界情勢に重心
本書は、各宗教の説明というよりもそれらを踏まえた「現代の世界情勢」についての説明に重心が置かれている印象でした。
各宗教について深く知りたいというよりも、世界の宗教にまつわる「今の」紛争について知りたいという場合に本書はより有用かと思います。
宗教や哲学について学ぶならオーディオブックや電子書籍が便利
❶2023.4.3時点では、本書はKindle Unlimitedの読み放題対象となっています
❷また、Amazon Audibleと、オーディオブック配信サービス – audiobook.jpでは、同じく池上彰さんの著書『池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本』が聴き放題の対象となっています
宗教や哲学について知識を得たいと考えた場合、書店や図書館に紙の本を求めるのも当然良いのですが、自宅にいながら手軽に本を読む手段もあります。
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を利用することです。
いずれも、外に出かける必要がなく、すぐに読書ができるので大変便利です。
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